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2005年08月31日

井上陽水「あこがれ」

CDアルバム『断絶』(1972年LP)で「あこがれ」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。繰り返すようだが、「井上陽水」としてのデビューアルバム。12曲中の最有名曲は「傘がない」か。『YOSUI TRIBUTE』でははこの曲(UA)のほかに「限りない欲望」もBank Bandの演奏で聴くことができる。
 この春のツアー(井上陽水コンサート2005)では『断絶』からなんと7曲も演奏され、永年のファンを喜ばせた。この「あこがれ」も、銚子会場で歌われた。

  ♪さみしい時は男がわかる

 アルバムの一曲目である。この曲がSingerにしてSong Writer「井上陽水」の第一印象だったのかと、往時を想像する。
 ひそやかな憧れをあらわすようなピアノ(?)のイントロで始まる。
 
  ♪男は強くすべてを悟り
  ♪女は弱く何かにすがり

 これが「つい、あこがれてしまう」男と女の姿だと詠う。現実とは違う姿だから「つい」なのだろう。そういえば、昔住んでいた近所の八百屋さんだって、おじさんのほうが優しくてときどきマケてくれたけど、おばさんはしっかりしていたもの。(例が変!)
 それなら、この歌に詠われている男性像、女性像がほんとうに理想だったのかというと、そうでもないみたいな。こんな姿が世の中で正しいとされているらしいけど、そんなモデルどおりの人間はいないよ、あるいは、深読みすれば、そんなモデルはおかしいよ、ともきこえる。
 性の差がなくなってきている今だから、そんなふうにきこえるのかもしれない。

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CDアルバム「断絶」(POCH-1571) 
CDアルバム「YOSUI TRIBUTE」(FLCF-4038)
断絶YOSUI TRIBUTE


投稿者 蒼木そら : 2005年08月31日 23:13

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コメント

この「あこがれ」の歌詞は、むかしセンター試験(当時:共通一次試験)の現代文に取り上げられたんですよね。竹田青嗣という人の『陽水の快楽』という著書の中で、ふつう“あこがれ”というタイトルだと自分のあこがれをつらつら並べ立てるんだけど、陽水の場合は一般的なあこがれ像に対して、何か偏見を感じながらも周りと足踏み揃えて賛同する...(そういう共有の価値観?を皮肉っている。)ことに脱帽だ!みたいなこと言ってるらしいですw。

ちなみにこの歌聴き方によってはすごく封建的な内容なんで初心者や陽水の人間性(?)をあまり理解できてない人には薦められませんねぇ...。

投稿者 なかしょう : 2005年09月02日 00:53

>この歌聴き方によってはすごく封建的な内容なんで

封建的、そうですよね。最初聴いたときは、えっ?と思いました。

共通一時試験に出題?それは難題でございましょう。
正解を知りたいものです。

投稿者 蒼木そら : 2005年09月03日 00:59

What a lovely day for a 563711! SCK was here

投稿者 563711 : 2011年05月19日 10:46