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2011年06月22日

対談 小林聡美×井上陽水

  雑誌「GINGER L」(ジンジャーエール)2011 SUMMER 03  幻冬舎

  対談 小林聡美 × 井上陽水 散歩3 代官山~中目黒

  公式サイトのトップ頁に「対談」と相変わらず遠慮がちな告知が載り、終了したライブ日程が消えているのを見たのは10日あまり前か。5月の末からしばらく病院暮らしをしていた間に更新されたらしい。これからは日に何度も「LIVE」を開いて、お知らせを待つ日々が続く。

  実際にその雑誌を手にするまでに、幻冬舎のサイトで“立ち読み”したり、いろいろリサーチをした。
  これは想像したような女性誌ではなく、女性のための文芸誌という珍しい雑誌。
  小林聡美さんの散歩対談は連載。毎回相手が変わり、陽水は三人目にして初の男性。
  雑誌の白い表紙には毎号猫が居り、この3号の猫は、スコティッシュフォールド。
  
  桜がほとんど散った日曜日というから、4月10日か。散歩とあって、陽水は運動靴(聡美さん曰く)姿だ。
  話がとりとめなく続くのは、散歩しながらのせいだろうか。周囲の風景、誰の家があったとかあるとか、まるで一般人のように話しながら歩く。陽水は結構、浮世のことどもをご存知らしいのがちょっと意外。
  お二人の言葉のキャッチボールはリズムもよくて、読む者も楽しく、沢山の笑顔の写真に気持ちがやわらぐが、羨ましくもある。ほんとに仲が良いんだなぁって。こんなふうな陽水に会ってみたいなぁと、妄想が膨らむ(笑)。

  対談とかインタビューとかで、陽水はいつも“はぐらかし係”だと思っていたが、ここでは逆で、聡美さんにはぐらかされている気がする。この辺が愉快だ。でも、そろそろ世の中に出ようかと・・・というような意の陽水の発言も受け流されて、これはちょっと突っ込んで聞きたかった。

  小林聡美さんには、遠くのツアー先でお会いした、いや、お見かけした。もたいまさこさんとご一緒だった。帰りの空港にも居られ、フツーにゲートの前で立って待っておられた。周囲を気にしている様子もなく、ごく自然な姿が素敵だった。
  媚びることもなく、お高くとまっているのでもなく、超然としているというか、可愛い方なのにそんな雰囲気がある。

  もたいまさこさんと出雲を旅する小さな番組もあり、それも陽水のそちら方面のライブのついでだと番組中で話していた。もたいさんも聡美さんも、かなりの陽水ファンのようである。

  対談にも出てくる映画「かもめ食堂」シリーズ(?)にも、他の小林聡美さんの出演ドラマなどにも、よくもたいまさこさんは出演されている。
  そもそも、対談中にもあるが、陽水が目をつけた(笑・実際はそんな表現はない)ドラマ「やっぱり猫が好き」では、もたいさんが三人姉妹の長女で聡美さんは末っ子、真ん中が室井滋さんだったと思う。脚本が三谷幸喜さん、時に木皿泉さんが書かれていた。木皿さんも大好きでわたしはお名前を勝手にいただいているが、そんなことはどうでもいい。
  
  散歩の目的地はホットケーキのお店(?)で、これがとってもおいしそうだ。ロイヤルな感じだそうです。

  小林聡美さんから三谷幸喜さんに話がつながるのは、あまりにミーハーか。話題になった直後だものね。当然、この対談にはそんな話はない。
  
  娘が買ったこの雑誌を、6月14日に三谷幸喜の今年三作目の舞台「マイ・ベッジ・パードン」を観に行って受け取った。夏目漱石のロンドン留学時代を題材にしたこの作品、前の二作と比べてもっともコメディ度が高く、観客はよく笑っていた。そして、もっとも自身を投影しているのではないかと思った。ラストシーンがとてもよい。
  あと一作、ようし、全作制覇するぞ!ってそんなこともこの際余計な話。

  3時間近い観劇のあと、電車でこの雑誌を読んでいたわけだが、他に偶然ホットケーキにまつわるエッセイがあり、日本にはどら焼きがあったので、ホットケーキやパンケーキがたやすく受け入れられた、というふうな記述があった。ふむふむ。
  病み上がりだから早く帰れと娘に言われて空腹のままである。そうなるともう食べることしか考えられないわたしは、陽水とは違う種類の人間なのだろう。
  お二人が食べられたロイヤルなホットケーキを頭に描きながら、コンビニでどらやき120円を買った。似て非なるものだったな、まったくもって。
  
  その後いまだに夢は果たせずだが、今日はそれよりソフトクリームが食べたい。夏至の今日、まるで真夏の暑さ! 

  

投稿者 きさら先 : 22:56