2005年09月29日

井上陽水「ビルの最上階」

 CDアルバム『九段』(1998年)で「ビルの最上階」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/井上陽水・BAnaNA-UG(川島裕二)。
 
  ♪15階建てのビルの14階はテレビ局のフロア

 実際にはありそうもない雑居ビル。各階にあるのはシニカルな言葉で表現される現代か。誰もが感じることだが、事物事象を並べるつくりが「最後のニュース」に似ている。
 かなり長い曲だが、何かあるのか何か来るのかと聴いているうちに、終わるともなく終わる。ちょっと肩透かしされた感じを、わたしはもつ。
 
  最上階がいい。村上春樹の小説「ダンス・ダンス・ダンス」に出てくる「ドルフィンホテル」の、主人公だけ行けちゃうフロアのようだ。

  ♪15階建てのビルの最上階は今もなおミステリー
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ♪不可解な空白が青空に浮かんだまま

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CDアルバム『九段』FLCF-3711
九段

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2005年09月28日

井上陽水「アンチヒロイン」

 CDアルバム『九段』(1998年)で「アンチヒロイン」を聴いた。作詞/井上陽水 作曲・編曲/布袋寅泰。
 詞を渡されて曲を作ったけれど、ずっとそのままで・・・というふうなことを、テレビ番組《井上陽水 空想ハイウェイ NHK 2004年》に出演した布袋は話していたが、これはこんなイミで・・・なーんてやりとりは・・・ないものなのでしょうか。アルバムには当然、彼はギターで参加している。なお、『YOSUI TRIBUTE』では、布袋寅泰は「東へ西へ」を歌っている。

  ♪わかりそうだろ そのくらい

 と言われても、難しいのです、解釈が。
 イメージは闘う女。歌っているのは、ボクサーに付き添うセコンンドのような男?
 陽水の力唱とギターの力演も闘っているような、絡み合っているような。

  ♪涙は孤独な
  ♪アンチヒロイン

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CDアルバム『九段』FLCF-3711
九段

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2005年09月26日

井上陽水「ロングインタビュー」

 CDアルバム『九段』で「ロングインタビュー」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/宮崎一哉。アルバムの7曲目で、「ラブレターの気分で」の次にある。
 
  ♪いつでも恋は ブルースの夜と ライトシンフォニー
  ♪ミントの花が香りであふれてゆく

 この歌いだしにはいつも誘われる。歌詞にもメロディーにも。

  ♪信じる人の言葉が流れてゆく

 信念の人の言葉は強くて美しい。しかし、力の壁にはねかえされて

  ♪時計は空回り

 歴史は待たせるのだ、いつまで?「願いを繰り返す」ことで、心に持ち続けることでその時を待つ。

  ♪世界が気づくまで
  ♪いつまでも


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CDアルバム『九段』FLCF-3711
九段


 


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2005年09月24日

井上陽水「最新伝説」

 CDアルバム『九段』(1998年)で「最新伝説」を聴いた。作詞/井上陽水 作曲/井上陽水・平井夏美 編曲/井上陽水・宮崎一哉。 TBS系のテレビ番組「世界ウルルン滞在記」のエンディングテーマだった。「英雄」の次、アルバム4曲目である。

  ♪なつかしい 歌よ友よ 最新伝説

 メロディ、特にこの歌いだしは耳慣れているのだ。でも、「最新伝説」って、何か由来があったのだろうかと改めて考えた。『九段』には時事的なな事柄を取り上げた曲が多いようなので。だが、何も思い当たらない。仕方がないので、気になる「ジュゴン」のことでも。

  ♪恋人が 歌う唄を 伝えて 1000ジュゴン

 「ジュゴン」人魚のモデルの魚、ではなくて哺乳類。鯨と違って草食で、藻や海草を食べるのだそうだ。沖縄の水族館でジュゴンに似た「マナティ」を見たが、餌に人参などを与えられていた。狭い水槽の中でどんよりと漂っている。立ち姿で浮いてもいるが、人魚姫を想像するのはやや難しい。

 空間と時間と想像力が、どこまでも広がって行くような言葉が続く。

  ♪愛し合う 夢の果ては 情熱急行
  ♪舞い上がる 風を巻いて 最前線の鐘の音

 繰り返しもあってかなり長い歌詞のここまで聴くと、この「最前線の鐘の音」でぐっと来る。
 大げさな言い方だが、歴史を作っているのだ、わたしたちも、なんて思う。

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CDアルバム『九段』FLCF-3711
九段

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2005年09月23日

井上陽水「英雄」

 CDアルバム『九段』(1998年)で「英雄」を聴いた。作詞・作曲・編曲/井上陽水。この曲は次の年の『GOLDEN BEST』にも収録されている。ちなみに『九段』からは他に「TEENAGER」と「長い坂の絵のフレーム」。
 9月になってから野茂英雄の若い頃の姿をテレビ画面で見かける。缶コーヒー(日本コカコーラ「ジョージア」)のCMである。クールな表情がかっこよくて、思わず見入ってしまう。1968年8月31日生まれとうからいま37歳。かの長島茂雄が現役を引退したのが38歳、スポーツ選手の人生は急ぎ足だ。一般人がこれからといういう頃に、勝負をつけなければならないのだもの。

  ♪内角を高めに 快感を投げ込めボールボーイ

 軽やかな聴きやすい曲。「快感を投げ込め」・・・・聴きながらCMの野茂の姿がかぶさる。
 短いショットを重ねる映像のように、「英雄」のあの時この時の姿を示す言葉がちりばめられている。

 日本の今日のニュース。阪神優勝秒読みで、大阪の道頓堀に高い壁ができたそうな。

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CDアルバム『九段』FLCF-3711
九段

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2005年09月20日

井上陽水「エンジの雨」

 CDアルバム『九段』(1998年)で「エンジの雨」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/菅野よう子。アルバム9番目の曲。
 秋晴れはどこへやら、ぐずついた天気。今日はときどき、しとしと細い雨が降って、明日も明後日も曇マークが続く。

  ♪明日の恋を待ったのは
  ♪エンジの雨が降ったから

 歌詞カードを見るとどうしても、右側の頁の陽水の笑顔に目がゆく。ふりふりのピンクのカフェカーテンから現れるところ。

  ♪想い果てなく 夢見てごらん
  ♪あの頃まで 眺めを映して

 歌が妖精のよう。かわいい妖精とちょっと大人の妖精がかわるがわる現れる。

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CDアルバム『九段』FLCF-3711
九段


  

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2005年09月19日

井上陽水「炎熱の月明かり」

 CDアルバム『九段』(1998年)で「炎熱の月明かり」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水・忌野清志郎 編曲/井上陽水。アルバムの一曲目、好きな曲だが久しぶりに聴いた。
 よく晴れた仲秋の名月だったが、十六夜の今夜はやや曇り。「炎熱の月明かり」というわけにはゆかない。そもそも月が「炎熱」って?・・・なのだが。
 
  ♪月とkissした 夜のあと
  ♪かなり手さぐり したけれど

 忌野清志郎と一行ずつ交互に作詞したという(「青いリンゴ」陽水年表1991/8/25)。連句のような成り立ちなんですね。そう思って読んでみても違和感はないが、ここはどちらかしら?と思う楽しみがある。テーマのようなものを決めてあったのか、一行目からの流れなのか。
 これも清志郎と共作された曲は、ゆったりしたロック調で、歌いだしから魅力的。最後も美しく決まっている。

  ♪ああ 月明かり 進むべき道を
  ♪照らしておくれ お願い

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CDアルバム『九段』FLCF-3711
九段

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2005年07月22日

井上陽水「TEENAGER」

 CDアルバム『九段』(1998年CD)で「TEENAGER」」を聴いた。作詞/井上陽水 作曲/井上陽水・平井夏美 編曲/藤井丈司 島健。シングル『TEENAGER』(1998年CDs)カップリングは「積み荷のない船」「HAWAIAN LOVE SONG(リリウオカラニ女王に捧ぐ)」。
 日本テレビ系で1998年1月から3月まで放映された連続ドラマ《三姉妹探偵団》のエンディングテーマ。ドラマの原作はいまも続く赤川次郎のミステリ・シリーズの何話か。

 ♪青春に 僕らは海の風
 ♪青空に ビーズを散りばめて

 友人に呼び出されて、クラス会の場所の下見に、海へと延びた新しい街へ。折からテレビ局のイベントが行われていて、若者と家族連れで賑わっていた。もう学校は夏休み・・・と昔を思い出して。

 ♪人々は学ばずに
 ♪過ちをくり返す
 ♪悲しみを拒みつづけて

 ドラマは見ていなかったが、小説での三姉妹は軽妙なチームワークで活躍する。歌のほうはかなり複雑な「Teenager」だ。

 ♪栄光のThirteen
 ♪未来のFourteen
 ♪世界はFifteen(暗闇の外へ 連れ出しておくれ)
 ♪涙のSixteen(想い出の外へ 飛び出しておくれよ 今すぐ)
  ・・・・・・・・
 
 括弧内はいわば裏の歌詞、コーラスとして歌われている。ストリングスの入った優雅なマーチ風で快い。ライヴで聴きたいものです。

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→九段)

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CDアルバム『九段』FLCF-3711
CDアルバム『GOLDEN BEST』FLCF-3761(2枚組)
九段GOLDEN BEST
なお、「GOLDEN BEST」で聴ける曲は全て、
「GOLDEN BEST SUPER」(FLCF-3965)(CD3枚組)でも聴けます。

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2005年02月13日

井上陽水「長い坂の絵のフレーム」

 CDアルバム『九段』で「長い坂の絵のフレーム」を聴いた。作詞・作曲・編曲/井上陽水
 根っからの筆不精である。そのため、所在不明になって、クラス会などの連絡は来なくなっていた。各自の生活に忙しい間は、それでよかったのだ。ところが、ある程度のトシになると、そのような忘れられた者も、マメな幹事さんとかに発掘されることになる。
 昔の友達に会うということは、昔の自分に会うことでもある。記憶の中の自分は、溶け込めない変なヤツなのだが、意外といいひとだったり、ずるいヤツだったり、見透かされていたり。
 他人の見ていた自分と、思っている自分、思いたかった自分とはずいぶん違う。
 つらつらと、こんなことを考えたのは、「長い坂の絵のフレーム」を聴いたせいである。
 
  ♪この頃は友達に 手紙ばかりを書いている
  ♪ありふれた想い出と 言葉ばかりを並べてる

 みんなに会って、想い出話のあとは、また

  ♪たそがれたら 街灯りに 溶け込んだり

 というのが、私は望みなのだけれど。

  ♪誰よりも幸せな人
  ♪訳もなく悲しみの人
  ♪長い坂の絵のフレーム

 小島良喜のピアノを相手に井上陽水が歌う、過去への想いを誘う一曲。

コンサートに向けて、リクエスト(5)
 「長い坂の絵のフレーム」
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左 CDアルバム『九段』FLCF-3711(1998年3月)
右 CDアルバム『GOLDEN BEST』FLCF-3761(1999年7月)(2枚組)
九段GOLDEN BEST
なお、「GOLDEN BEST」で聴ける曲は全て、
「GOLDEN BEST SUPER」(FLCF-3965)(CD3枚組)でも聴けます。

投稿者 蒼木そら : 23:49 | コメント (8) | トラックバック

2005年02月01日

井上陽水「ラブレターの気分で」

 CDアルバム『九段』で「ラブレターの気分で」を聴いた。作詞・作曲・編曲/井上陽水
 2000年のコンサートは『九段』からの選曲が多くて嬉しかった。有名曲ばかりではつまらない。この曲も歌われて、ライブで聴くほうがいいと思った。
 「ラブレター」というから手紙だろうが、「青い便箋」に書かれた切ない手紙(心もよう)でもないし、友達に書く想い出の手紙(長い坂の絵のフレーム)ともまったく違う。
 なんというか、捕まえにくい曲であり、詞である。イメージができそうなところで、ひょいと肩透かしをされる。また追いかける。たとえば

  ♪薔薇の 二文字は 花びらを

 うっとり聞き惚れていると、「カンガルー」やら「チタン」やら「No.4」(何?)やらと逃げ去ってしまう。最後はこう歌って終わる。むしろ楽しげに。

  ♪言葉をなくしたラブレターの気分で

 きっと手紙でさえないのでしょう。気分なんだもの。私のアンテナではキャッチできないだけ。もっと感度がよくないと。で、また追いかけるはめになるのです。
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CDアルバム『九段』FLCF-3711
九段

投稿者 蒼木そら : 23:34 | コメント (16) | トラックバック

2005年01月31日

井上陽水「SINGING ROCKET」

 CDアルバム『九段』で「SINGING ROCKET」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/Andrew Ritten。
 『九段』はかなり好きなアルバム。地味な感じがするが、聴き応えがある。
 1998年3月の発売時、ちょっと日が経ってから店に行ったら余裕で売っていて、嬉しいような心配なようなだった。翌年『GOLDEN BEST』が出たときは、ゆっくり店に行ったら”売り切れです、予約して”と言われ、”えー!”とがっかりしつつも喜んだ。
 ジャケットはつぶらな瞳の黒猫の写真で、
「Cover Photograph・・・YOSUI INOUE」とあるから、陽水宅の猫だったのだろうか。猫の図鑑で調べてもらったら、”ボンベイ”がよく似ているということになった。

 旅願望いっそ宇宙までと、今日はロックっぽい「SINGING ROCKET」。いろいろな解釈ができる歌詞だが、私はそのまま、飛び立つ前のロケットを想像する。

  ♪神がかりな顔で もしかしたら

 と、歌いだしで人格を与えられるロケット。視線にさらされ、身じろぎして、一心に発射のときを待つ。美しく、エロチックだ。

  ♪ひび割れた 銃のように 撃ちたいだろう
または 
  ♪つながれた 豹のように 逃げたいだろう

と、反語的な表現が力を溜めて溜めてゆく。

  ♪SINGING ROCKET MORE

 また、ライブで聴きたい曲である。
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左 CDアルバム『九段』FLCF-3711(1998年3月)
右 CDアルバム『GOLDEN BAD』FLCF-3800(2000年7月)
九段GOLDEN BAD

投稿者 蒼木そら : 23:09 | コメント (4) | トラックバック