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2005年10月30日

井上陽水「旅から旅」

 CDアルバム『二色の独楽』(1974年LP)で「旅から旅」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。B面の4曲目、CDでは14曲中の12曲目。14曲といってもこのアルバム、1曲目が「傘がない-イントロダクション-」と名づけられた短いinstrumentalだし、2曲目「夕立」に続く3曲目は「太陽の町」-最後14曲目と同じ歌の1フレーズという凝った造りなので、実質12.5曲か。

 今日10月30日の朝日新聞朝刊(東京版)の一面に、日光いろは坂の写真が載っていた。今年の紅葉は例年より一週間遅いという。よく、「例年より」とか「平均より」とか言うが、昨年や一昨年と比べてもらったほうがわかりやすいのに、と思う。
 それはともかく、秋の旅、よいですね。紅葉に温泉、やはり秋は山でしょうか。でも、この「旅から旅」は行楽の旅ではなさそうです。

  ♪旅から旅
  ♪夜から夜
  ♪闇から闇へと行く人は誰ですか?

 カランとしたギター(?)音の入る、ロックふうのアレンジがかっこいいです。
 「黒いマント」「山高帽」「ステッキ」どこかで見たことがあるような気がして浮かんだのは《笑ゥせぇるすまん》(藤子不二雄A作)。でもこの人はマントは着ていない。それに、この旅する「おじさん」は

  ♪誰かが困っているときに来るのです

 だそうです。やさしいひとなのですね。
 シルエットだけで顔はわからない、名前もない、影のような「おじさん」。いまも忙しく旅を続けているのでしょうか。 


歌詞はこちら

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CDアルバム『二色の独楽』POCH-1575 復刻紙ジャケットシリーズ UPCH-1127
二色の独楽

投稿者 蒼木そら : 22:50 | コメント (11) | トラックバック

2005年10月28日

井上陽水「HAWAIIAN LOVE SONG」

  リマスタリングされ2001年に発売されたCDアルバムBOX『ReMASTER』の『extra-1』で「HAWAIIAN LOVE SONG」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。シングルCD『TEENAGER』(1998年)のカップリング曲。このシングルには、他に「積荷のない船」。
 「リリウオカラニ女王に捧ぐ」と献辞がついている。この女王は1891年に即位し1893年に退陣させられたハワイ王朝の最後の王で、有名な「アロハ・オエ」の作曲者だそうです。
 
 11月4日放送予定のNHK-BS2《井上陽水 空想ハイウェイ Act4》に、このところ人気のジェイク島袋が出演すると聞いて、この曲を。ウクレレの演奏はないのだが。

  ♪長い 首飾りが
  ♪沈む 南の海

 ハワイ、わたしは行ったことがないが、誰もが好きという島々。
 いまはアメリカの州のひとつで明るい観光地のイメージだが、その昔は別の歴史があったのだろう。
 穏やかな明るい歌の底に、かなしみの心があるように思われて。

  ♪アロハオエ 果てしもなく

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→井上陽水ReMASTER→extra-1を選んで)

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『ReMASTER』17枚組BOX FLCF-3860 このNo.16「extra-1」
ReMASTER

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 白状すると、このところ上の空で書く日が続いています。歌に、申し訳けないです。
 “チケット取れない症状”が原因かと思われますが、尋常ではない状況なんですね、これが。折角近くの、席数も少ない会場でのコンサート、跳びあがって喜んだものの、取れない。
 まあ、そんな会場ですから激戦は覚悟し、運と思ってあきらめるところですが、オークションにずらっと並ぶのを見ると、どうなっているのかと・・・。

 時はクリスマス ウィーク、街はよし、会場もよし、出演は大勢のファンをもつ大物となれば、カモ取り名人にとっては、さぞかしおいしいカモの飛来する素敵な池なのでしょうか。
 2年前にも同じ現象を見ました。流通段階のどこの問題なのでしょう。解決策はないのでしょうか?
 買わなければよい、それも一法です。でも・・・・。
 
 心の中に融けないしこりを抱えて「今日も井上陽水」を聴く。いささかつらいこのごろであります。

投稿者 蒼木そら : 23:37 | トラックバック

2005年10月26日

井上陽水奥田民生「ありがとう」

 CDアルバム『ショッピング』(1997年CD・LP)で「ありがとう」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水・奥田民生。ビールのTVCMで記憶に新しい、と言っても、1997年だから8年も経つのだが。シングル『ありがとう』も発売され、カップリングは「佗び助」の別テイク。

 アルバム11番目(次が最後で「アジアの純真」)のこの曲もふたりで交互に唄い、コーラスを付け合っている。奥田民生の勢いと井上陽水のゆとりがかみ合っていい感じ。

  ♪ありがとう ありがとう 感謝しよう
 
 「ありがとう」がいくつ?21回出てきます。「ありがとう」で詞を作ってしまうなんて!
 感謝されているさまざまな人、さまざまな行為、その並べ方がユーモアに満ち、あるいはシニカル。楽しみながら作ったのかなと想像される。テンポの速い楽しい曲。

  ♪好きな人 キライな人
  ♪みんな みんな ありがとう Yeah!

 
聴いてみて!こちら→『ショッピング』までスクロールして

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『ショッピング』CD:FLCF3679、CD:SRCL-3769
ショッピング

投稿者 蒼木そら : 22:52 | コメント (12) | トラックバック

2005年10月25日

井上陽水奥田民生「佗び助」

 CDアルバム『ショッピング』(1997年CD・LP)で「佗び助」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水・奥田民生。アルバムの最初のこの曲は、井上陽水と奥田民生が交互に唄っている。

 侘助(侘び助):椿の一種で筒状の花。茶の席に好まれ、一輪生けられたりする。名前のせいなのだろうか。または、名の由来がそもそも茶道か、知識がないのでわからない。
 
 このタイトルは、花の名前だろうか?陽水も奥田民生も、花の名前に詳しいふうには見えない。とすると、「侘び寂び」の侘び?そんな気がする。「助」は、ほら「合点承知の助」なんていうその「助」・・・かな?

  ♪海には ホラ何がある そこには ただ人生が
  ♪まるまるバカらしくなるような 丸裸の歴史があるのだ

 大きく出ますね、最初から!驚いて聴くリズムはロック。
 海に、山に、畑に、夜に、空に、町に、と続いて。ちなみに畑には、「ネコのトイレの砂の代わりに」なる「宝石が」あるそうです。 
  ♪すごいのだ

 ほんと、凄いです。
 このアルバムには、「哲学的」あるいは「人生訓」とでもいうような歌が何曲かあって、これもそのひとつ。それが理詰めになったり、嫌味だったりしないのは、流石です。

  ♪明日 空に何がある
  ♪そこに ひとひらの

 このあとには、「僕たちは選ぶだけ」と続く。「ひとひらの」のあとの、見えない余白に感じる。

  ♪おまえら ただひたすら 選んで行けばよい

 選ぶ、それが難しいのですけれど。


聴いてみて!こちら→『ショッピング』までスクロールして

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『ショッピング』CD:FLCF3679、CD:SRCL-3769
ショッピング

訂正

 曲のタイトルは「佗び助」なので、本文を訂正しました。
 花の名は「侘び助(侘助)」、違う字なのに、勘違いして書いています。
 また、「侘び寂び」もこちらの字。

投稿者 蒼木そら : 23:11 | コメント (10) | トラックバック

2005年10月24日

井上陽水「Love is you」

CDアルバム『あやしい夜をまって』(1981年LP)で「Love is you」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/矢野誠。
 このタイトルを見ると“願いは瞳に飾られて♪”と歌が出てくるが、ちがう。それは『Negative』の「Love you」、美しい曲です。
 「is」のはいったこちらは、「背中まで45分」のように、ホテルが舞台。

  ♪光の流れで
  ♪ネオンが夜にそびえる

 都会の夜。曲は、ブルース、というのでしょうか。柔らかに、適度にしんみり。

  ♪Love is you
  ♪かたむきそうな君

 こんなことばで詠われると、Loveを覗き見してるような気になる。英語部分は繰り返されるコーラス。
 やさしい音が深夜にありがたい。

 「ジェラシー」と「My House」ばかりが目立つ『あやしい夜をまって』だが、聴き返すとよい曲がたくさん。根強いファンもいるようです。


(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→あやしい夜をまって)

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『あやしい夜をまって』FLCF-3852
あやしい夜をまって
  
 

投稿者 蒼木そら : 23:17 | コメント (1) | トラックバック

2005年10月23日

井上陽水「恋の予感」

 CDアルバム『9.5カラット』(1984年LP)で「恋の予感」を聴いた。作詞/井上陽水 作曲/玉置浩二 編曲/森田光雄。10月19日に記しているように、「ワインレッドの心」同様、安全地帯へ詞を提供したもの。安全地帯はシングル『恋の予感』(1984年EP)を出して、こちらの編曲は安全地帯と星勝。
 『9.5カラット』は、ヒット曲を何曲も収録していて、ずいぶん売れたと聞いているが、自分では好んで聴くというアルバムではない。でも、例えば今日こうして聴いていると、大勢に受け入れられるのは、もっともだと思う。

  ♪なぜ なぜ あなたは
  ♪きれいになりたいの?

 若い女性に問いかけるような歌詞が、わかり易くて、ロマンチック。風、星、夜、夢、恋。
 そして甘くたゆたいながら流れる曲。
 
  ♪誰かを待っても
  ♪どんなに待っても

 恋はまだ見えない。「恋の予感」心をそそるタイトルです。

  ♪恋の予感が ただかけぬけるだけ

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→9.5カラット)

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CDアルバム『9.5カラット』FLCF-3858
9.5carats

投稿者 蒼木そら : 23:35 | コメント (15) | トラックバック

2005年10月22日

井上陽水「星空へHappy Game」

 CDアルバム『あやしい夜をまって』(1981年LP)で「星空へHappy Game」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/鈴木茂。アルバムの6曲目、LPだとB面の最初の曲。A面の1曲目は「ジェラシー」で、アルバムの最後は「マリーナ・デル・レイ~ナイト・メロディー」(作詞/松本隆)。他の人の作詞が3曲はいっている。なお、『あやしい夜をまって』は曲のタイトルではない。「Yellow Night」の歌詞の一節だ。

  ♪青い星空までムスタングでゆくよ

 今日は一日曇り。「青い星空」というわけにはゆかないが、Happyな歌は大歓迎な心境。
 「青い」がつくことで、星空は広がりをもち、向かう道や木々の影が見えるような。

  ♪僕の羽根シューズがアクセルにもふれる

 「羽根シューズ」でアクセル踏んで、空まで飛ばせ、軽々と。
 なぜ「Happy」?もちろん「君」がいるから。

  ♪軽やかにhappy game
  ♪そんな気分で


(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→あやしい夜をまって)

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『あやしい夜をまって』FLCF-3852
あやしい夜をまって
 

投稿者 蒼木そら : 23:47 | コメント (3) | トラックバック

2005年10月21日

井上陽水「今夜、私に」

  『ReMASTER』(リマスタリングCD17枚組BOX 2001年)のうちの『extra-2』で「今夜、私に」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/川島裕二 。1988年のシングル(EP)で、B面は「恋は自分勝手に」。
 日産自動車「セフィーロ」のTVコマーシャルの最初の曲。車種「セフィーロ」のデビューでもあった。次が「夢寝見」でそのあとが「自然に飾られて」。
 やはりこの最初の曲、そして画面の印象がいちばん強いが、ちゃんと聴いたことがなかった。「今夜、私に」何が起きるのだろう。

  ♪学舎にうつむく子供に

 「まなびやに・・・」意外な言葉がゆったりとしたメロディに乗って始まる。かといって子供が主人公というわけではなさそうです。

  ♪世界をもっと教えて
  ♪Ah-風の香る夜に

 コマーシャルで主として聴いていたのはこのフレーズ。風が吹くように、光が射すように、歌の世界が広がる。
 
  ♪悲しみまで教えて
  ♪Ah-月の沈む朝に

 何度か聴くうちに、長い間奏のあとの、このクライマックスを待つ自分に気づく。美しい、と思う。

 眠りにくい夜に・・・・・

  ♪夢をちょっとだけ
  ♪今夜、私に

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→ReMASTER→extra-2を選んで)

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ReMASTER(FLCF-3860)CD17枚組(このNo.17「extra-2」)
ReMASTER

投稿者 蒼木そら : 23:21 | コメント (1) | トラックバック

2005年10月20日

井上陽水「背中まで45分」

 CDアルバム『LION & PELICAN』(1982年LP)で「背中まで45分」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/川島裕二。沢田研二のアルバム『MIS CAST』のための曲。沢田研二はシングル(EP)『背中まで45分』も出していて、B面は「How many“ Good Bye”」。

  ♪出会いの場所は ホテルのロビー

 この歌い出しでわかるように、昨日の「ワインレッドの心」より、いっそうオトナな歌。出会ってから45分後に「背中まで」ゆくふたりです。

  ♪部屋に入れば それがちょうど5分前

 こんなふうに聞き手は、時間に従ってすんなりと「今」までつれて行かれる。美男美女を想像しながら。

 沢田研二は『MIS CAST』で、気持ちよさそうに、本領発揮という感じで唄っている。比べると陽水のほうが、控えめで遠慮気味に聞こえるのは、気のせいだろうか。


(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→LION & PELICAN)
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『LION & PELICN』CD:FLCF-3853 
LION & PELICAN

投稿者 蒼木そら : 23:52 | コメント (12) | トラックバック

2005年10月19日

井上陽水「ワインレッドの心」

 CDアルバム『9.5カラット』で「ワインレッドの心」を聴いた。作詞/井上陽水 作曲/玉置浩二 編曲/萩田光雄。玉置浩二の属するグループ安全地帯のヒット曲(1983年シングルEP)で、そちらの編曲は安全地帯と星勝。
 玉置浩二の出演する連続ドラマ《あいのうた》が好評らしいので今夜の二話目を観た。日本テレビ系、水曜夜10時。
 ドラマで見るのは久しぶりだが、この人はいつも役に合う人だ。その芝居を感じさせないナチュラルさに好感をもつ。
 玉置浩二つながりの今日の選曲。この曲の一年後にやはり安全地帯に詞を提供した「恋の予感」も『9.5カラット』に収録されているが、アルバム最後の「ワインレッドの心」を撰ぶ。
 
  ♪もっと勝手に恋したり

 やや投げやりな感じ(もっとよい表現を思いつかない)が大人っぽい。おしゃれな歌です。安全地帯の歌もきっと、テレビでラジオでレコード店の店頭でずいぶん聞いたと思う。
 いま聞き比べることはできないが、この陽水版のほうが、さらっと唄われているのではないだろうか。

  ♪今以上 それ以上 愛されるまで
  
 今日観たそのドラマのテーマも愛のようだが、ここでうたう「愛」とは違うようです、もちろん。
 ちなみにドラマの主題歌は、玉置浩二の「プレゼント」。

 同級会、同期会と会合続きで人疲れ。風邪も引いて帰ってきたら、陽水のライヴのチケット全敗の結果が待っていてガッカリ。予想以上の激戦の、人気のほどを喜ぶべき?それほどの広い心もなくて・・・。


(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→9.5カラット)

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CDアルバム『9.5カラット』FLCF-3858
9.5carats
 
 

投稿者 蒼木そら : 23:27 | トラックバック

2005年10月17日

井上陽水「神無月にかこまれて」

 CDアルバム『センチメンタル』(1972年LP)で「神無月にかこまれて」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。このアルバムのタイトルは『陽水Ⅱセンチメンタル』が正しいのかも知れないが、井上陽水公式サイトでの掲載に合わせて、ここでは「陽水Ⅱ」を省略して記している。
 しばらく後期の曲を聴いてきたので、このアルバムは久しぶり。最もフォーク色の強いアルバムだ。春のツアーで6曲歌われたが、この「神無月にかこまれて」は演奏されていない。残念がるファンも多かっただろう。

  ♪人恋しと泣けば十三夜
  
 心に寄り添うような歌い出し。
 2005年の神無月の、今夜の月は十五夜。少しだが月蝕も見られるという。
  
  ♪風がさわぐ今や冬隣り
 
 「冬隣り」俳句の世界は知らないが、季語にあってもよさそうな言葉。急に冷たい風が吹いて季節の移ろいを感じるころ。
 「渡り鳥」に「列についてゆけない者」を想い、「息をひそめて冬を待つ」。「暗い歌」と言われるかもしれない。でも、寂しいとき、うまくゆかないとき、ひとり聴いてひたる青春もあるに違いない。

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 『センチメンタル』CD:POCH-1572
センチメンタル

投稿者 蒼木そら : 03:06 | コメント (13) | トラックバック

2005年10月16日

井上陽水「相当な決意」

 井上陽水・奥田民生のCDアルバム『ショッピング』(1997年CD・LP)で「相当な決意」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水・奥田民生。この曲のVocalは陽水。
 このアルバムは、詞も曲も二人の共作となっているが、たぶんどちらかが主に作っているのではないだろうか。この詞は奥田民生かと思うのだがどうだろう。

  ♪あくまで僕は 夢見る限り なにかと病気もせず
  ♪生まれたこの町で 屋根にもたれて

 「屋根にもたれて」と書いてみて気づく。屋根に、もたれる?(笑い)
 「あくまで」と始まる各節は、普通人の普通の町での生活というふうな歌詞だが、そんな引っかかりが随所にあって、おや?と思わせる。
 地味な(地味を装った)この歌のハイライトはやはりこの「君」の微笑み。メロディも美しい。

  ♪君は心から微笑みながら
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
       ♪それは 本当 そして相当な美しい決意

 奥田民生のコーラスがはいると、曲も民生っぽいような気がするが、さて?

 「決意」を伴なってこそ愛は真実。

 井上陽水と奥田民生のふたりによるライヴ・イベントがあるそうです。「手引きのようなもの」以外はあまり歌われない『ショッピング』からの曲も演奏されるのでしょうか。


聴いてみて!こちら→『ショッピング』までスクロールして

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『ショッピング』CD:FLCF3679、CD:SRCL-3769
ショッピング


 
 

 
 

 

 

投稿者 蒼木そら : 23:57 | コメント (7) | トラックバック

2005年10月15日

井上陽水「Love you」

 CDアルバム『NEGATIVE』(1987年LP)で「Love you」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/清水信之。アルバム10曲目、この前が「WHY]で、静かな歌が2曲続いてこのアルバムは終る。

  楽しみにしていた新しい連続ドラマ《野ブタ。をプロデュース》が始まった。日本テレビ系(公式サイトはこちら)。
 「white」で触れた原作では大人は殆ど出てこなかったが、ドラマでは主人公の家庭、学校の教師なども設定されていて、キャストも個性的な面々。特に驚いたのは忌野清志郎がレギュラー出演するらしいことだ。本屋の主人で、長屋の大家さんのような着物姿がよく似合う。この本屋は原作にはない異空間で、役割がおおいに期待できそう。
 転校生(原作では男子だがドラマでは女子)がいじめられて、校内中、そして街まで逃げ惑うが、誰ひとり手を出さない場面が長々と撮られる。観ていて心が冷え冷えとした。このシーンがドラマの行く先を表しているのだろうか。
 たぶん原作からは離れた世界が構築されるのだろう。リアルでそしてシュールな作風の脚本家・木皿泉の世界で、何にも無関心な主人公は、どう行動するのだろう。 

  ♪願いは瞳に飾られて

 放任される悪意を観たあとで、ほっとして聴く。
 控えめで余韻の美しいピアノが素敵。

  ♪愛は遊びに残されて

 面白ければよい、受ければよいの空気の中では、育ちにくいだろう、愛は。
 でも

  ♪歌の終りは I love you 

 (聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→NEGATIVE)

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CDアルバム『Negative』FLCF-3858
Negative 
 

投稿者 蒼木そら : 23:49 | コメント (1) | トラックバック

2005年10月14日

井上陽水「Seventeen」

 CDアルバム『Negative』(1987年LP)で「Seventeen」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/川島裕二。LP時代の最後のこのアルバムの6曲目、B面最初の曲。

  ♪壊れかけてたパリで
  ♪マリアカラス 丁度 Seventeen

 速いテンポの浮き浮きする曲に乗って、ことばが弾んで伸びて。
 どうしてマリアカラスなのだろうか。パリで恋をして、歌っているなぜか17歳。いや、数字ではなくて「Seventeen」でなければいけないのでしょう。
 
  ♪詩人なら笑いかけて
  ♪エジンバラまで届けたいの

 漢字とカナで韻を踏むなんて技もあって、微笑を誘う。
 よくわからない歌だけれど陽水は・・・・・

  ♪楽しそうに歌いつづけて


 (聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→NEGATIVE)

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CDアルバム『Negative』FLCF-3858
Negative 

投稿者 蒼木そら : 23:55 | コメント (2) | トラックバック

2005年10月13日

井上陽水「ドレミのため息」

 CDアルバム『永遠のシュール』(1994年)で「ドレミのため息」を聴いた。作詞・作曲・編曲/井上陽水。こうして何曲か続けて聴くと、アルバムの色が見えてくる。この曲も『永遠のシュール』らしい。
 
 実は、しばらく前にこの曲を取り上げるつもりだったが、根室沖で漁船の事故があり乗組員の方たちが亡くなったことを知ったので書けなくなっていた。根室では今年の6月18日に井上陽水のコンサートがあった。その折の演奏曲リストを《根室トピックス》管理人さんに教えて頂いたご縁で、この事故も他人事ではないような気がするのだ。
 このサイトで根室出身の乗組員さんのご葬儀のお写真を拝見した。りりしいお顔立ちのまだお若いその方には、生きてなさりたいことが沢山あっただろうに、と心が痛む。

 さて、「ドレミのため息」
 
  ♪根室の空を飛んだり
  ♪西湖で富士を見てたり

 「根室」をトップに、この一節目には地名が四つでてくる。この選び方が不思議だったり、面白かったり。
  
  ♪嫌われたトカゲ達が愛する自分のデザイン

 こんな魅力的なフレーズをもつジャズ調の曲に乗って、さまざまな事物が登場する。いったい何の歌なのだろう?

  ♪ファとミはドレミのため息

 主人公は陽水の歌かもしれない。そして歌は陽水のため息なのかもしれない。


(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→永遠のシュール)

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「永遠のシュール」FLCF-3527 
永遠のシュール

投稿者 蒼木そら : 23:49 | コメント (12) | トラックバック

2005年10月12日

井上陽水「真珠」

 CDアルバム『永遠のシュール』で「真珠」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。「Queen」の次の曲。アルバム2曲目です。

 このところ集まりが多くて、あの手配この通知と気忙しい。そんなときに限ってブラインドが壊れたり時計の電池が切れたり、お米がなくなったりするのだ。昨日のモップスのBEST盤を聴きたいが、落ち着いた時間がとれないのでお預けにして見知った曲を聴く。昨年だったか、NHK《井上陽水空想ハイウェイ》で唄われた歌。

  ♪真珠の形は永遠のシュールだよ

 まことにまことに、自然の不思議。これはよいとか悪いとか、ついつい完璧な形を求めるが、それは本来かの珠の知ったことではない。

  ♪夏の海でいつの日も

 軽く始まった曲が一転、美しいメロディに。「寄せ返す波」に想いをいたさせる。ひそやかにつくられる珠は、大切に育まれる少女にも似ている。
 
 ざわざわと落ち着かなかった心がいくらか鎮まって、空を見ればやや半分の月でした。

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→永遠のシュール)

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「永遠のシュール」FLCF-3527 
永遠のシュール

投稿者 蒼木そら : 23:47 | コメント (1) | トラックバック

2005年10月11日

モップス「窓をあけろ」

 CDアルバム『モップス Millenium+1 BEST』(2001年東芝EMI)で「窓をあけろ」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/モップス。
 「窓をあけろ」が収録されたアルバムはいろいろあって、初出の『モップスと16人の仲間』(1972年LP)とどちらを買おうか迷ったが、結局陽水の名の多いベスト盤にしてしまった。

 目次の15曲から「井上陽水」を抜き出してみると
  2.傘がない    作詞・作曲
  3.窓をあけろ   作詞・作曲
  7.夕暮れ ALONE  訳詩
  15.あかずの踏切り 作詞

 それにしても、モップス関連で40枚以上のアルバムが、いまだにマーケットにあるとは知らなかった。失礼しました。今日届いたCDで、とりあえずこの曲を聴く。

 「窓をあけろ」は上記のように、1972年に初めて発表された。『断絶』と同時期である。詩集《ラインダンス》には、『断絶』の最後の曲「傘がない」のあとに掲載されている。

  ♪窓をあけろ すぐに光を入れろ

 時代を表す曲として「傘がない」ばかりが取り上げられるが、この歌詞も象徴的だ。あけたいが、「部屋の窓があかない」と。
 唄っているのが鈴木ヒロミツなのでしょうか。表情のある声です。俳優としては知っていたが、モップスのヴォーカルとは同名異人だと思っていた。無知が恥ずかしい。
 「傘がない」と比べると、単調だが疾走感がある。何箇所か独白されるが、もとはメロディがあるのだろうか。この歌を陽水はどのように唄うのだろう。

  ♪誰がしめたか? 誰がしめたか? (誰がしめたか?)

 繰り返して強調されるこの叫び、ちょうどいま、だれもが心に持っているような。

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    『モップス Millenium+1 BEST』 2001年東芝EMI


付記:上に引用した「誰がしめたか?」の繰り返しは、このアルバムでは二回、《ラインダンス》では三回となっています。

投稿者 蒼木そら : 23:48 | コメント (3) | トラックバック

2005年10月10日

井上陽水「Queen」

CDアルバム『永遠のシュール』(1994年)で「Queen」を聴いた。作詞・作曲・編曲/井上陽水。

 ミュージカル《WE WILL ROCK YOU》の公演、PAUL RODGERSを伴っての来日公演も間近などとあって、バンド「QUEEN」の話題の多い今年だ。こちらの「Queen」はどんな曲だろうか。

  ♪我は裏霞む夜の雨

 ギターのイントロのあと、凄く高い声が唄いだす。音域の広い難曲だ。「我」がQueenなんですね。あえて古めかしくて行儀のよい歌詞。「裏霞む」に言葉の妙味を味わう。

  ♪眠れないなぜか今日は
  ♪恋はセンセーション

 楽器が陽水自身のギターだけなので、小さな場所での「弾き語り」のような贅沢気分。
 雨の今宵にしんみりと、うっとり聴き入る一曲でした。

  ♪叶わぬ真心

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→永遠のシュール)

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「永遠のシュール」FLCF-3527 
永遠のシュール

投稿者 蒼木そら : 23:51 | コメント (11) | トラックバック

2005年10月09日

井上陽水「Power Down」

 CDアルバム『UNDER THE SUN』(1993年)で「Power Down」を聴いた。作詞・作曲・編曲/井上陽水。

 三連休である。10月である。なのに天気が悪い。関東地方だけのようだが、明日も雲りの予報。体育の日なのに晴れないの?『UNDER THE SUN』なのに「Power Down」なの?
  
  ♪恋のヒューズがはじけとびちるたびに

 アルバム4曲目。「11-イレブン-」「水瓶座の夜」のあとに来るロック(?)
 何年か前にLiveで聴いたときはPowerいっぱいのロックだった気がするが、今日聴くこの歌はなんとなく可笑しい。実際笑い声もはいっているし。「その気のない」とか「まぬけだけの」とか詠っている歌詞に合わせてか不思議なアレンジだ。
 そういえば、脱力系なんて呼び方があるようだ。最近よく見かけます。

  ♪Power Down Power Down

 歌詞はこちら

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→UNDER THE SUN)

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『UNDER THE SUN』FLCF-30220
UNDER THE SUN

投稿者 蒼木そら : 23:35 | コメント (1) | トラックバック

2005年10月08日

井上陽水「二色の独楽」

 CDアルバム『二色の独楽』(1974年LP)でタイトル曲を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/Jack Nitzche。アルバム8番目で、A面最後の曲。CDで聴くいまは、レコードを裏返すためにいったん流れが途切れたことを忘れがちだ。
 
  ♪まわれ まわれ 二色の独楽よ
  ♪色をまぜて きれいになれ

 「色をまぜて」、それは二色以外の色になるってことでもある、などと思うのは、昨日の映画《メゾン・ド・ヒミコ》で、人間の性は二つだけではないのだと、改めて思ったからだろう。
 ここではまざり合うのは女と男。独楽のように止まれば終ってしまう。寂しげに唄われるセンチメンタルな曲だが、ふいにこんな詞に会ってハッとした。

  ♪生きてるんだね

歌詞はこちら

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CDアルバム『二色の独楽』(1974年)POCH-1575
二色の独楽


投稿者 蒼木そら : 23:46 | コメント (3) | トラックバック

2005年10月07日

井上陽水「フェミニスト」

 CDアリバム『スニーカーダンサー』(1979年LP)で「フェミニスト」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。「なぜか上海」の次、アルバム7番目の曲。

 映画《メゾン・ド・ヒミコ》を観た。かなり前から上映されていて何度か観ようとしたのだが、なんやかや邪魔が入って果たせなかった。そんなときは普通は気が抜けるのに、これは懲りずに観たのは、《たそがれ清兵衛》に出ていた田中泯を見たかったから。、《たそがれ・・・》のときは暗いシーンで実はよく見えなったのだが、プロブラムの写真に見とれた。立っているいるだけなのに、気迫が伝わる姿だった。それもそのはず、舞踏家で映画は初出演だったのだ。
 その彼が主役のひとりヒミコで、愛人がオダギリ ジョー、昔結婚していたときの娘が柴咲コウである。ヒミコの営むゲイのための老人ホームが舞台だ。
 《メゾン・ド・ヒミコ》監督/犬童一心 製作/メゾン・ド・ヒミコ製作委員会。
 
 ヒミコは病気なので、あまり田中の立ち姿がなかったのが残念だったが、さすがの存在感。花柄の衣装を着てあんなに気品があるなんて!田中と張り合うほどに魅力的なのがオダギリ ジョーで、美しく、切なく、無力感がにじみ出ている。柴咲コウは父を憎み、したがってゲイを認めない役。ストーリーとして、この役の在り方はやや安易な気もするが、ゲイのオダギリさえ惹きつけるひたむきさには頷く。
 
老人ホームの洋館と、その前の海と、柴咲の職場だけの話なのに2時間あまりを飽きさせない。クライマックスのホールでのダンスはさまざまな現実を昇華して涙が出るほどだ。が、それはいわば楽しい錯覚。さめれば相変わらずどうにもならない人間のさがが悲しい。

 さて「フェミニスト」を聴いたのは、ジェンダーというか、なにか共通していると思ったから。だが、この歌の「私」が言っている「フェミニスト」は、こんな男のようで。

  ♪いつも言葉を探している様な

 それに対する男は「ピアニスト」らしいので、意味にこだわらずに語感で聴く。3番も面白い。
 聞きやすい歌です。唄えたらもっと気持ちがよいかも、と思う歌。

 『スニーカーダンサー』聴き終わって、好きなひとつだけ選べと言われれば、「今夜」でしょうか。

歌詞はこちら

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→スニーカーダンサー)

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CD『スニーカーダンサー』FLCF-3850
スニーカーダンサー

投稿者 蒼木そら : 23:45 | コメント (12) | トラックバック

2005年10月06日

井上陽水「スニーカーダンサー」

 CDアルバム『スニーカーダンサー』でタイトル曲を聴いた。作詞/井上陽水 作曲・編曲/高中正義。アルバムの一曲目で、前二作『招待状のないショー』と『white』とはまた変わって、ポップで乾いたこのアルバムの雰囲気を代表している。
 
 昨夜遅くに終電の終った駅前を通ると、男の子が三人踊っていた。なんと呼ぶのかダボっとしたパンツにスニーカー。遊んでいるにしては真剣な面持ち。なぜ踊っているのか訊けば、踊りたいからと答えるのだろう。

  ♪呼び止めないでおくれ
  ♪間違わないでおくれ
   ・・・・・・・・・・・・・・・・
  ♪俺はただのスニーカーダンサー

 「止まって」もいないし「旅を続けて」もいないが、「不思議な動きをする」スニーカーダンサー。どうも顔が見えない男です。いまどきのストリートダンサーたちはたいて数人一緒だが、「スニーカーダンサー」はひとりで踊る仮面の男。

歌詞はこちら

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→スニーカーダンサー)

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『スニーカーダンサー』FLCF-3850(1979年9月)
スニーカーダンサー

 

投稿者 蒼木そら : 23:15 | コメント (12) | トラックバック

2005年10月04日

沢田研二「次のデイト」

 CDアルバム『Mis Cast』(1982年LP)で「次のデイト」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/白井良明。ミュージカルの1シーンで歌われそうなドラマチックなアレンジ。舞台はホテルの一室だ。

  ♪赤いルージュに誘われるままに
  ♪白いホテルの階段をのぼり

 女は会うや否や訊くんですね。

  ♪次のデイト、いつよ?
  ♪次のデイト、どこよ?

 なだめる男のこんな詞が“らしい”です。

  ♪高いレベルに持ち込めた時に
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ♪だから二人で囲まれてみよう  
     ♪この夜に それまでは

 ジュリーがその艶をが充分に発揮して歌っています。
 
 陽水ミュージカルには欠かせない曲かもしれません。

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CDアルバム『MIS CAST』2005年リマスタリング発売(ユニバーサルミュージック)UPCY-6065
Miscast

 

 

投稿者 蒼木そら : 23:46 | コメント (2) | トラックバック

2005年10月03日

沢田研二「How Many “Good Bye”」

 CDアルバム『Mis Cast』(1982年LP)で「How Many “Good Bye”」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/白井良明。
一昨日『9.5カラット』で聴いた「A.B.C.D」の沢田研二版は、比べると重い感じがしたが、この歌はヨーデル風のイントロなどあって賑やかだ。

  ♪Good Bye,Good Bye,Good Bye,Good Bye,Darling

 こう始まって繰り返される英語部分に、曲がぴったり合っていて快調。しかし、それだけではない。

  ♪夏にどんな夢もやけたから
  ♪冬にことばさえも白いから

 例えば、こんな素敵な詩でもあるのです。
 CDには記されていませんが、コーラスは陽水とか。こちらも素敵です。

 『Mis Cast』の中で、陽水の唄で聴きたい曲No.1です。

 この曲の“Good Bye”は恋の別れなのだろうが、タイトルの「How Many “Good Bye”」はべつの意味でちょっとしんみり。
 いくつの別れを経なければならないのだろう、人生を了えるまでに。

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CDアルバム『MIS CAST』2005年(ユニバーサルミュージック)UPCY-6065
Miscast

投稿者 蒼木そら : 23:31 | コメント (1) | トラックバック

2005年10月02日

井上陽水「土曜日は晴れた」

 CDアルバム『永遠のシュール』(1994年)で「土曜日は晴れた」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/小林武史。今年7月の「ap bank fes '05」への陽水の出演や、昨年の『YOSUI TRIBUTE』へのBank Bandの参加などで、最近陽水関連で名を聞く小林武史の編曲である。コンサートやレコーディングのスタッフとしては、これより8~9年ほど前からの縁のようだが、編曲はこのアルバムが初めてだろうか。他に「移動電話」がある。
 昨日の土曜日は、週末久々の快晴。今日もまた、さすが10月の空だった。
 
  ♪土曜日は晴れた
  ♪いつのまにか雨が消えた
  ♪鬼を囲んで僕達は

 読むと童謡のような、あるいは初期のフォークソングのような歌を想像するが、聴くとまったく違う。かくれんぼの情景を詠っているのに、シュールである。アレンジもその雰囲気を強調している。

  ♪誰でも青空のどこかへ誰かと

 遊ぶ情景に挟まれたこんな詞に、ふいに子供たちのかくれんぼに冷たい空気が吹き込む。気がつくと日が暮れて、ほら、すぐそこに鬼が。

 現実的な話を持ち出すと、このころはまだ学校が5日制になっていなかったのではないだろうか。遊びながら帰る子供たちの姿を想ったりもする。

 追憶での土曜日はいつも晴れ。そして日常の裂け目に気づく日。

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→永遠のシュール→土曜日は晴れた)

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「永遠のシュール」FLCF-3527 
永遠のシュール

投稿者 蒼木そら : 19:04 | コメント (8) | トラックバック

2005年10月01日

井上陽水「A.B.C.D」

 CDアルバム『9.5カラット』(1984年LP)で「A.B.C.D」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。沢田研二『MIS CAST』に提供した曲を2年あまり後に陽水が歌ったもの。『MIS CAST』の曲はほかに、「背中まで45分」「チャイニーズフード」(以上『LION &PELICAN』)「ジャスト フィット」(または「Just Fit」『Golden Best』『ガイドのいない夜』『クラムチャウダー』)「ミスキャスト」(『クラムチャウダー』)とアルバムの半分の曲を自身で歌っている。
 「A.B.C.D」タイトルはそっけないが、表情豊かなブルースだ。

  ♪ゆかいなA おしゃべりなB 俺の友達

 ただのアルファベットが、口にされると姿をもって立ち上がるようだ。

  ♪おまえたちにブルース
  ♪俺のうたえる唄はブルース

 懐かしいものを届けてくれるようなフレーズがうれしい。

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→9.5カラット)

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CDアルバム『9.5カラット』FLCF-3858
9.5carats

投稿者 蒼木そら : 23:53 | コメント (13) | トラックバック