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2005年11月16日

井上陽水「結詞」

 CDアルバム『招待状のないショー』(1976年LP)で「枕詞」と「結詞」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝(結詞)・井上陽水(枕詞)。
 「枕詞」はアルバム3曲目にあるが、廻り続けるようなこのアルバムでは、実質はじまりの曲ともとれる。詞は「結詞」の3節までで、キーが高い。
 「結詞」は13曲目でアルバム最後の曲。長いインストゥルメンタルを含む複雑なアレンジだ。印刷で見ると13行の短い言葉で成り立つ詞なのに、録音時間は6分21秒と、このアルバムでは一番長い。

 「結詞」は他に、『クラムチャウダー(ライブ版)』(1986年 編曲/大村憲司)『ガイドのいない夜』(1992年 編曲/川島裕二)とアレンジの違う録音を聴くことができる。『GOLDEN BEST』(1999年)に収録されているのは92年版である。ちなみに演奏時間はライブ版が拍手も含めて5分54秒、92年版は4分7秒だ。
 このほかに、1992年にシングル(カップリング「野イチゴ」)も発売されている。92年の7月から放映されたJR東日本のテレビCM用の別ヴァージョンだそうで、これも聴きたかったと思う。

 この曲がテレビCMとして流れたときは、その発想に驚いた。そして、「その先の日本へ」というCMのテーマと画面へのあまりの合い様に感心したものだ。
 この歌が「人生」という旅の歌でもあるからだろうか。

  ♪迷い雲 白き夏
  ♪ひとり旅 永き冬

 最小の言葉であらわされるこの広がり、この深い想いに
     何を言うのも余計なことだが
 宇宙の果てる遠くまで、過去から未来へ何光年も
     悩みも悲しみも喜びも愛も

  ♪遠き 遠き道の途中でのこと

歌詞はこちら

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→招待状のないショー)

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 2005年1月から書いてきました「今日も井上陽水」を、今日で一応終わりにします。拙い文をお読みいただき、本当に本当に、ありがとうございました。(蒼木そら)
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『招待状のないショー』FLCF-3848  『クラムチャウダー』FLCF-3856
『ガイドのいない夜』FLCF-30195 『GOLDEN BEST』FLCF-3761
招待状のないショー

投稿者 蒼木そら : 23:42 | コメント (13)

2005年11月15日

井上陽水「歌に誘われて」

 CDシングル『歌に誘われて』(2004年4月)を聴いた。作詞・作曲/井上陽水。
 CDとして発売されたのは、2004年4月だったが、陽水が西鉄の依頼で作ったこの曲を使ってのテレビCMは2003年7月から福岡県内で放映されていたという。
 (西日本鉄道(株)にしてつ企業CM
 CMも歌も好評で、福岡にお住まいの方が羨ましかったものです。だから、CD発売はうれしいニュースだった。2005年春のツアーで聴かれた方も多いはず。

  ♪真夏のかなたまで
  ♪記憶のはるかまで

 陽水のバスにかかわる想い出が、浮かんできそうな歌です。声がふわっと軽いメロディに乗って。

  ♪子供と大人はミツバチ

 「森花処女林」には“ハチミツ魔女湾”があったっけ。なんて思って、微笑。
 詞も楽しいが、誘われて思わず口ずさむようなメロディも。

  ♪楽しげにさみしげに
  ♪歌につれられて

 ジャケットも素直でかわいい一枚です。  
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CDシングル『歌に誘われて』2004年4月1日 ピンジャック・レコード (500円)
販売:西鉄エージェンシー


投稿者 蒼木そら : 23:42

2005年11月14日

井上陽水「野イチゴ」

 CDアルバム『二色の独楽』(1974年LP)と『ReMASTER extra-2』で「野イチゴ」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝(『二色の独楽』)。
 『extra-2』に収録されているのは、1992年のシングル(CD)『結詞』のカップリング曲で、アレンジを変えて歌いなおされたもの。
 74年の「野イチゴ」もテンポは速くはないが、92年発表のほうがよりゆっくりと唄われている。オルガンふうの音が穏やかに清らかに鳴り、「歌曲」と称ばれる歌を聴くようだ。
 
  ♪野イチゴ ゆれた
  ♪緑の風に
  ♪つんでみようか
  ♪ながめるだけにしようか

 次に「町へお嫁に行った」「あの娘」が出てくるので、「野イチゴ」を別の意味にとることも可能だ。そういう解釈を聞いてから、ちょっと苦手になっていたこの歌、改めて聴くとメロディがとても美しい歌です。
 どちらの録音も、おさえた声で唄われ、74年版は内省的か。92年版は郷愁の色合い、4節目を口笛がうたう。そして、最後の一行が3節目の繰り返しに変えられている。

 主人公は結局、「カラのカゴを抱きしめ」て帰るのだが・・・。

  ♪野イチゴ ゆれてた
  ♪冷たい夜風に吹かれながら
  ♪小さくふるえていた(『二色の独楽』ヴァージョン)

 一行の変更の意味合いは大きい。もちろん好みは分かれるところだが、わたしは『結詞』ヴァージョンが好きです。

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→ReMASTER→extra-2を選んで)

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CDアルバム『二色の独楽』POCH-1575 復刻紙ジャケットシリーズ UPCH-1127
ReMASTER(FLCF-3860)CD17枚組(このNo.17「extra-2」)

二色の独楽ReMASTER
『ReMASTER』の各アルバムは1枚ずつでも購入できます。

投稿者 蒼木そら : 23:07 | コメント (13)

2005年11月13日

井上陽水「君と僕のブルース」

 CDアルバム『二色の独楽』(1974年LP)で「君と僕のブルース」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。LPのB面最初の曲。

 昨日の土曜日も今日もよく晴れて秋らしい週末。七五三のお参りに行くらしい家族連れも多く見掛けた。この“ブルース”の季節はいつなのか、ときは夜。
 
  ♪君はうつぶせで
  ♪僕はあおむけで

 ヒューッと口笛を鳴らしたいようなシーン。幸せいっぱいの君と僕。この歌の前の曲「二色の独楽」のように、「クルクルまわっている」ふたり。
 速いテンポで始まって、勢いのある歌。
 
  ♪許し合う罪もない君と僕

 傷のなめあいなんかじゃないのさ、僕たちは。

 でも、前向きなだけではすまさない、やはり。

  ♪落ちこむぞ 夜は深い
  ♪愛しても 愛しても君と僕

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CDアルバム『二色の独楽』POCH-1575 復刻紙ジャケットシリーズ UPCH-1127
二色の独楽

投稿者 蒼木そら : 23:48 | コメント (1) | トラックバック

2005年11月12日

井上陽水「小さな手」

 CDアルバム『断絶』(1972年LP)で「小さな手」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。LPのA面5番目で、次がA面最後の「人生が二度あれば」。

  ♪小さな手を見て
  ♪思わず笑う私

 自分の手なのだ、「小さな手」とは。「笑う」といっても自嘲の笑いであり、この主人公にとっては後段で詠うように「悲しい事と同じ」と・・・。歌詞もさみしいがメロディも。アレンジも歌謡曲調。
 ふと、石川啄木の「・・・ぢっと手を見る」を思い出しました。
 タイトル曲「断絶」にある若い情熱や、すぐ前の曲「感謝知らずの女」の皮肉や陽気さはまったくない。
 そして最後の「傘がない」まで改めて一覧すると、井上陽水の最初のアルバム『断絶』は実に多彩なアルバムだったのだと思う。

  ♪この手がすべてをなくしたように
  ♪私もすべてをなくしてゆくのね
  ♪小さな手 

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CDアルバム「断絶」(1972年LP)2001年Limited Edition ポリドール
断絶

投稿者 蒼木そら : 23:55 | コメント (2) | トラックバック

2005年11月10日

井上陽水「星(終りのテーマ)」

 CDアルバム『陽水ライヴ もどり道』(1973年LP)で「星(終りのテーマ」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水。
 『陽水ライヴ もどり道』については、2005年5月7日の「紙飛行機」の欄で、収録曲などを記しているので省略する。
 この小さな曲がここにいたのを失念し、なかしょうさんに指摘していただいた。ありがとうございました。おかげで『陽水ライヴ もどり道』を改めて聴くことができた。
 1973年つまり32年前の、井上陽水のソロでは2回目というこのライヴの録音。なにか、ちょっと、聞いてはいけないような、そんな気になる。聴衆のコールや拍手、どよめきには人気のほどが窺えるのに、高ぶりや自信は見えず、こわれもののような繊細さがある。
 「星(終りのテーマ」のあとで、アンコールを求めるらしい拍手があるから、最後の曲だったのだろうか。なお、拍手のあとは「夢の中へ」でアルバムは終っている。

  ♪流れ星がひとつ
  ♪夜空に消えてゆく

 自らのギター(おそらく)だけと唄われる小さな小さな歌。

  ♪今日の帰り道で君と逢えたら・・・・

 これが最後のフレーズ。続くような終り。
 不真面目な聴き手のわたしも、ここは聞き覚えがあり、この歌だったのか「星」ってと。ごめんなさい。
 ライヴでこの歌を聴いた帰り道はきっと幸せだったことでしょう。

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『陽水ライヴ もどり道』CD:UPCH-1125(2001.12.19) [Limited Edition]
もどり道

投稿者 蒼木そら : 23:44 | コメント (11) | トラックバック

2005年11月09日

井上陽水「白いカーネーション」

 CDアルバム『センチメンタル』(1972年LP)で「白いカーネーション」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。LPのA面5番目の曲。
 花の名がタイトルの曲は珍しいのではないだろうか。陽水の作詞のものではこの曲だけかもしれない。
 勝手な憶測だが、陽水は花の名前をあまり知らないような気がする。そうかといって、魚の名なら知っているだろうか。動物はどうだろうか。歴史上の人物とかのほうが知っていそう。そんなことはさておき・・・。

  ♪カーネーション お花の中では
  ♪カーネーション 一番好きな花

 カーネーション、ずいぶん昔に日本に入ってきたのか、ありふれた花。最近は青色などもあって、また、花びらの種類もいろいろ。だが、やはり昔ながらの形が、いちばん花らしい。色も赤、白、ピンクまででしょうか。ピンクのカーネーションの出てくる歌が何かあったっけ。
 「お花」と言い、「私」と言ううところをみると、若い女性が歌っている?
 
  ♪そんなにきれいな花もいつかはしおれてしまう

 シンプルなメロディ、“幼い”とも言えそうなな歌詞、可愛い歌です。
 「白」を選んでいるのに意味があるのか、ただ、「好き」と今は思いたい。わたしは、カーネーションならピンクが好きです。

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 『センチメンタル』CD:POCH-1572
センチメンタル

投稿者 蒼木そら : 23:43 | コメント (4) | トラックバック

2005年11月08日

井上陽水「おやすみ」

 CDアルバム『氷の世界』で「おやすみ」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。アルバムの最後らしい曲。

  ♪あやとり糸は昔
  ♪切れたままなのに

 ピアノのイントロがみちびく「あやとりいと」の音がやさしい。余談だが、あやとりは日本だけの遊びではないらしい。

  ♪想いつづけていれば
  ♪心がやすまる

 さりげないけれど抒情的。おだやかな諦めもあって。

  ♪もう すべて終ったから 
  ♪みんな みんな終ったから

 さて、疑問なのですが、新潮文庫《ラインダンス》では、この歌のあとに、「星(終りのテーマ)」という短詩が載っている。これは、少なくともわたしの持っている『氷の世界』CD「POCH-1025」にはないし、井上陽水公式サイトの「Discography」でも記載はない。曲はなかったということなのでしょうか?

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CDアルバム『氷の世界』LIMITED EDITION(2001年)ポリドール
(このエディションには、「自己嫌悪」も収録されています)
氷の世界

訂正 2005年11月11日

 上記で「星(終りのテーマ)」に曲はないのか、と間の抜けたことを書いています。
 これは大間違いで、『ライヴ もどり道』に収録されているのでした。すみません。
 指摘してくださった、なかしょうさん、ありがとうございました。

投稿者 蒼木そら : 23:09 | コメント (3) | トラックバック

2005年11月07日

井上陽水「ハトが泣いてる」

 CDアルバム『断絶』(1972年LP)で「ハトが泣いてる」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。LP『断絶』のB面の2曲目。

 帰り道の駐車場に、誰かが野良猫に与える餌を目当てに、鳩が何羽かトコトコ歩いている。ククククとつぶやくように鳴いている。

  ♪ハトが ハトが泣いてる
  ♪声が 声が聞こえる

 ずっと「鳴いてる」と思っていたが、「泣いてる」んですね。
 「もうあんな空を飛びたくない」と「地上に降り」たハトのようです。

  ♪ハトはこの世界で生きていたけれど
  ♪涙 流して明日はないと

 折角空を飛べるのに、地上でなんか暮らすからには、それなりの覚悟があっただろうに。意気地のないハトです。都会の鳩を見ているせいか、どうも同情しにくい。
 そういえば、山鳩の鳴き声を久しく聞いていない。

 ハトよ、君はほんとは誰?地上に降りた天使?声を聞いた詩人の想像?
 こんなハトに与えられた、ブラスが入って軽快な曲が楽しい。

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CDアルバム「断絶」(1972年LP)2001年Limited Edition ポリドールhref="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005S77R/opus9-22">断絶


 

投稿者 蒼木そら : 23:12 | コメント (7) | トラックバック

2005年11月06日

井上陽水「東京ワシントンクラブ」

 リマスタリングされ2001年に発売されたCDアルバムBOX『ReMASTER』の『extra-1』で「東京ワシントンクラブ」を聴いた。作詞・作曲・編曲/井上陽水。 アルバム『東京ワシントンクラブ』(1976年LP)のB面一曲目に収録されている。このアルバムの殆どはライヴ録音で、1976年というと『招待状のないショー』と同じ年。9ヶ月後の発売だった。
 アルバムタイトルとなった「東京ワシントンクラブ」は追加で収録されたものらしいが、ギター2本とヴォーカルのみの演奏に、臨場感がある。

  ♪東京ワシントンクラブ
  ♪ニューヨーク、北京、パリ、チリ

 気宇壮大と受け取るべきか。「東京ワシントンクラブ」は自宅スタジオの名(?)。
 
  ♪バカな事にからまれている
  ♪夢の夢にからかわれている

 この歌は、詞を抜粋しても何も伝わらない気がする。
 この歌にあるのは、気分だ。もどかしい、確かめたい、そんな気分。

  ♪だけど約束だよ
  ♪東京ワシントンクラブ

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→井上陽水ReMASTER→extra-1を選んで)

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『ReMASTER』17枚組BOX FLCF-3860 このNo.16「extra-1」
ReMASTER

 
 

 

投稿者 蒼木そら : 23:59 | コメント (13) | トラックバック

2005年11月05日

井上陽水・空想ハイウェイ

 テレビ番組《井上陽水・空想ハイウェイ Act4》を観た。2005年11月4日NHK衛星第二、1時間30分。
 2004年5月Act1で始まり、2004年8月Act2,2004年12月Act3と放送された。だいぶ間があいたあとのAct4、番組内では特に最終回とは出なかったが、4回と告知されていたのでこれで終りなのだろうか。
 
 陽水にはいつも意表をつかれる。「いまこだわているのが、再びギターの弾き語り・・・」というふうなNHKの宣伝文句を見て、今年春の“弾き語り”ツアーをイメージしていたのだが、まったく違っていた。懐古ではなくて斬新であった。
 今回のテーマは“インストゥルメンタル”。5人の個性的な“インストゥルメンタリスト”たちがゲストで、彼らのアレンジ、彼らの演奏にのって陽水が歌う。才能と才能が出合って散らす火花に心を掴まれた。音楽の一瞬のきらめきを共有する、凡人にはうかがい知れない快楽をも想像して羨む。
 
 共演者と、画面にタイトルの出た演奏曲目を記しておく。井上陽水作のものは作者を省く。(ソロ)以外はデュエット。(出演順)

 押尾コータロー (1968年生) ギター
  「オアシス」(ソロ) 作曲/押尾コータロー
  「東へ西へ」
  「リバーサイトホテル」

 ジェイク シマブクロ (1976年生) ウクレレ
  「3rd Stream」(ソロ) 作曲/ジェイク シマブクロ
  「THE DAYS OF MY YOUTH」(ソロ)
  「氷の世界」
  「心もよう」

 山下洋輔 (1942年生) ピアノ
  「キュービズム」(ソロ) 作曲/山下洋輔
  「少年時代」
  「最後のニュース」

 高田漣 (1973年生) スティール・ギター
  「Little Hawaii」(ソロ) 作詞・作曲/高田漣
  「いっそセレナーデ」
  「夢の中へ」

 菊地成孔 (1963年生) サックス
  「Nocturne For Machiko Kyo」(ソロ) 作曲/菊地成孔他
  「ジェラシー」
  「背中まで45分」

 各楽器の話、なぜその楽器を?への答えに、やはり才能を思わされ、それぞれの楽器の小さなレッスンも楽しい。
 また、主として「父親」をテーマにしたトークに人間性が垣間見られ、番組に深みを与えていたと思う。

 菊地成孔とのデュエットの場所は、なんと日本銀行本店の旧館で重要文化財!地下の金庫室まで入った撮影にびっくり。素敵な中庭での演奏、音はどのように響いたのだろうか。建築物になどあまり興味のなさそうな陽水が、設計者「辰野金吾」の名を口にしたのにも驚いて、建物好きのわたしには、うれしいおまけでした。

投稿者 蒼木そら : 23:44 | コメント (1) | トラックバック

2005年11月03日

井上陽水「BACK SIDE」

 リマスタリングされ2001年に発売されたCDアルバムBOX『ReMASTER』の『extra-1』で「BACK SIDE」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水。 シングルCD『最後のニュース』(1989年)のカップリング曲。

 曲についての客観的なデータはともかく、他の人の意見や感想あるいは井上陽水本人のコメントも、なるべく見ないふりをしてここのコラムを書いている。曲だけを、つたない聴き方にせよ、なるべく虚心に聴きたいと思っている。
 「BACK SIDE」について、「“B面”という歌」とのコメントをどこかで読んだかもしれないが、見なかったことにして勝手に聴く。

  ♪悲しいから歌わせて 青空さん
  ♪さみしいから躍らせて 青空さん

 詞は短いが曲は4分52秒と長い。編曲者の名前は記されていなのでわからない。
 「青空さん」「たそがれさん」「ほしぞらさん」との呼びかけがさみしい。

 純愛、家族愛がもてはやされる半面で、親に、愛されないどころか無視される子供の実話やフィクションを数年前からよく見かける。読みすすめたり、見続けたりがつらいものもあるが、子供の生きる力が最後には救いになる。
 この詞は、恋人に向かって詠っているのかもしれないが、今日聴くと“僕”は子供に思えて悲しい。
  
  ♪Baby,僕はなぜ見捨てられたの?
  ♪Baby,僕はいつ忘れられたの?


(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→井上陽水ReMASTER→extra-1を選んで)

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『ReMASTER』17枚組BOX FLCF-3860 このNo.16「extra-1」
ReMASTER

 

投稿者 蒼木そら : 23:45 | コメント (12) | トラックバック

2005年11月02日

井上陽水・玉置浩二「夏の終りのハーモニー」

 CDアルバム『GOLDEN BEST』で「夏の終りのハーモニー」を聴いた。作詞/井上陽水 作曲/玉置浩二 編曲/星・勝・安全地帯・中西康晴。井上陽水・安全地帯のシングル(EP/1986年)『夏の終りのハーモニー』を収録したもの。B面は「俺はシャウト」。
 安全地帯との曲はその前に、「ワインレッドの心」(1983年)「恋の予感」(1984年)とある。
 1986年の夏に神宮球場で行われた、井上陽水と安全地帯のジョイントコンサート「STARDUST RENDEZ-VOUS」で唄われた曲。
 このコンサートの模様は、ライブアルバムやビデオに収録されている。期間限定ではあったが、DVD化もされた。
 神宮球場のコンサートへは行かなかったが、1988年の「Negative」ツアーのときNHKホールで、アンコールに玉置浩二が飛び入りして、陽水とデュエットしたのを観た。この歌ではなかったと思うが、何だったかはっきりした記憶がないのが残念だ。

  ♪今夜のお別れに
  ♪最後の二人の歌は
  ♪夏の夜を飾るハーモニー

 夏の野外でのコンサート、どんなに素晴らしかったことだろう。アンコールにこの歌が、夜空に響くさまを想像する。広がりと高まりをもった、気持ちのよい歌です。

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CD『GOLDEN BEST』(2枚組)1999年 FLCF3761
CD『スターダスト・ランデヴー 井上陽水・安全地帯 lLIVE AT 神宮』 2004年 ユニヴァーサル
GOLDEN BESTスターダストランデヴー

なお、「GOLDEN BEST」で聴ける曲は全て「GOLDEN BEST SUPER」(FLCF-3965)(CD3枚組)でも聴けます。

投稿者 蒼木そら : 23:38 | コメント (11) | トラックバック

2005年11月01日

井上陽水「夢の中へ」

 CDアルバム『GOLDEN BEST』(1999年CD2枚組)で「夢の中へ」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。1973年のシングル曲(EP)で、B面は「いつのまにか少女は」。《放課後》という映画の主題歌だった。
 陽水にとって全国的にヒットした初めての曲。春のツアーで、「タクシーに乗っていてこの曲が聞こえたときは、空気中に僕の歌が流れているような気がした」というふうに話していた。(正確ではありません)
 わたしも通勤の車のラジオで聴いたことを想い出す。
 オリジナルのアルバムにはどれにも収録されていないのに、超有名曲であり、コンサートの定番。
 歌詞が引用されることが最も多い歌ではないだろうか。CMの中で、テレビに出ている誰かのコメントの中で、ブログで、しばしば耳にしあるいは目にする。

  ♪探しものは何ですか?

 たしかに、ついつい使いたくなるようなフレーズで始まる。
 
 実は、しばらく見失っていた『GOLDEN BEST』がやっと出てきた。「つくえの中も」「カバンの中も」冷蔵庫の中も、箪笥の中も、「探したけれど」見つからなかったのに。そこで、この歌を聴けたわけです。
 
  ♪探すのをやめた時
  ♪見つかる事もよくある話で

 こう読むと、日常を詠っているような詞だ。
 だが、「探しもの」は聴くものにより、聴くときにより、仕事だったり、他人だったり、自分だったり、言葉だったり、愛だったり、夢だったり、悩みへの答えだったり、あのひとの心だったりと、さまざまに受け取れる。それはつまり、感情移入しやすいということでもある。

  ♪それより僕と踊りませんか?

 この世に生きることのあれこれを、しばし、忘れて。

  ♪夢の中へ、夢の中へ
  ♪行ってみたいと思いませんか?

 カバーされることも多い曲。『YOSUI TRIBUTE』ではTRICERATOPSが一曲目で歌っている。

歌詞はこちら

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『GOLDEN BEST』(2枚組)1999年 FLCF3761
『YOSUI TRIBUTE』 2004年 FLCF-4038
GOLDEN BESTYOSUI TRIBUTE

なお、「GOLDEN BEST」で聴ける曲は全て「GOLDEN BEST SUPER」(FLCF-3965)(CD3枚組)でも聴けます。

投稿者 蒼木そら : 23:51 | コメント (3) | トラックバック