鍵の数

鍵を束ねてあんなに
とめ金まではずれる程
車も部屋も引き出しも
大事なものがあふれて

鍵と朝から一緒に
働いたり 微笑んだり
夜の帳が降りるまで
確かめたり 眺めたり

  はにかむ程、この街をさまよって
  思い出まで胸に閉じ込め
  ひとりでいつまでも傷ついていたいの

また出来事を日記に
書きかえたり 消してみたり
夜は眠りにつくまえに
まぶたにまで鍵かけて

  愛がすべて 日々夜ごと夢枕
  幸せまで胸に閉じ込め
  孤独なこの街で安らいでいたいの

扉を閉めて今夜は
秘密にして数えてみて
悩みの数は銀色の
鍵の数と同じはず

カテゴリ : 1993「UNDER THE SUN」 登録日 : 2006年03月08日 16:51