野イチゴ

野イチゴゆれた
緑の風に
つんでみようか
ながめるだけにしようか

あの娘は町へ
お嫁に行った
便りもとだえ
里へ帰る事もない

野イチゴゆれてた
緑の風に包まれながら
赤い実をゆらしてた

日暮れの空は
いつもと同じ
変わらぬものが
いとしく思えてくる

夕焼け空が
広がる前に
家路に着こう
カラのカゴを抱きしめ

野イチゴゆれてた
冷めたい夜風に吹かれながら
小さくふるえていた

カテゴリ : 1974「二色の独楽」 登録日 : 2006年03月09日 00:07