2007年12月15日
スペシャルライブ2007
2007年12月11日 曇りときどき雨
ビルボードライブ東京(東京ミッドタウン) 1stステージ 18:30開演
12月になったらゆとりができると思っていたのに、あっというまに11日。12日は誘われていた四季の「ウィキッド」を観て、昨日の14日はシアタークリエの杮落とし公演を観ておおいに笑った。ビルボードも、三谷幸喜の芝居も入手困難なチケット、幸運に恵まれて今週は東京の新スポットを2箇所も体験したわけですが、 自慢話はさておき・・・。
ビルボードライブは、いくらかでもラクに権利を入手しよとクラブの会員になった。なのに気づくと、会員先行の日の11時ってネットも電話もできない環境にあるのだった。相変わらず間抜けな自分です。ところがどうしたわけか、解放された2時半ごろダメモトで電話すると、「現在4ステージのうち11日1stが3枚だけ・・・あ、いま2枚出ました、あと1枚です」とまるで実況放送。手にしたその1枚はステージと同じ階の自由席とのこと、残り物に大きな福?でもヒトミシラーのわたしにとって心配なのは相席の方たち。
東京ミッドタウンは、会社ありショップありレストランありホテルあり、住まいもスーパーもあって、職住近接と聞いても、住めるのは誰?所詮庶民には普段は縁のない街。
ショップやレストランのある棟のフローリングの床を進んで、3階から専用のエスカレーターで4階へ。そこがクラブの入口だった。人数の多そうなグループが確認などをしている。おやおや。番号順に入場するのだが、ひとつの番号はひとりに振り当てられてるわけではないらしい。
かなり待ってから案内されて席へ。ひとりのせいか選択肢はまだかなりあって、「ここは近いですよ」と勧められたが、つつしみぶかい(笑い)のでパスして後ろめの席へ。ひとまず安心。
ステージの後ろは、高層ビル群の夜景。舞台にはところ狭しと楽器がぎっしり。改めてあんなに弾き分けているのねーと思う。
場内はどうなっているのか。ステージと同じ階(3階)以外は、奥行きはとても狭い。このテーブル席の上にはカウンター形式の観やすそうな席。迷路のような階段をなお上るとそこが4階?この辺りで構造がわからなくなって、5階は探検できなかった。ガラスの壁に面した縦の空間といえばよいのでしょうか。
陽水が「(ミッドタウンの)入口は通ったが中は初めて。こんなことになっているとは」と言っていたが、まさにそのとおり、こんなことになっていたとはね!
周りを見ると、客層はやはりホールとは違う。中年の男性が若い女性を何人か誘って、という感じのグループが何組か。ビルボードライブだから、のご来店なのでしょう。
ステージのうしろの夜景をカーテンがするすると隠して開演。陽水はツアー中と同じ赤のシャツ姿。「Make-up Shadow」で始まったが、やや歌いにくそう。あまりに客席が近く、距離をとりかねているのだろうか。ほとんど足もとがテーブルなんです。薄めのサングラス越しの視線がしばしば下へ行く。
緊張もほどなく解けて、ホールツアーに比べて柔らかい演奏が雰囲気をかもし出す。聴くほうも、正面を向いてじっとしていなくてもいいのって、気が楽です。甘い気分に身をゆだねてゆく。
2曲唄ってご挨拶のあと長いメンバー紹介。得意分野(?)を挙げて、「よかったらお誘いください」(だったかな?)と付け加えるのが可笑しい。ひとりひとりコメントがあるが拍手でよく聞こえない中、「会話のプロ」「どんな話題でも食いつく」と言われた美久月さんが手をふって「無口で・・・」と否定するのも可笑しい。いきなり振られるメンバーも大変です。
メンバー紹介はあとでもう一回あって、ツアーでも最近そうだった。最初聞いたときは、さっきしたのに忘れたの?と心配したけれど(嘘です)、周知徹底させる意図なのでしょうか。一流アーティスト揃いですものね。
この場で聴く「Tokyo」、作られたころはこの街はなかったけれど、まさに“街は急に空へ広がって”相応しい。そして、「次の曲は面白いんです」とのその曲が始まると、窓を覆っていたカーテンが開き街が現れる。ワーっと歓声があがる。終わって窓を振り向いて「こんなところで唄うのは、ぼくも初めて」と。最近ANAのテレビCMで放映されている「新しいラプソディー」。光を感じる曲。
重いベースの音で始まる「嘘つきダイヤモンド」。各々の楽器とそして声とが絡み合いそして闘うようだ。耳で聴く、心臓で聴く、身体全体で聴く。素晴らしかった!
1時間半ぐらいで終わったのだろうか。ホールで聴くより短いけれど、得がたいプラスαが心を充たしている。このあともステージがあるかと思うと心残りだが仕方がなく帰る。
そうそう、心配していた相席の方、向かいに坐ったのはやはりひとりで来られた余貴美子さん似の女性。シンプルなファッションも素敵なさっぱりした方だった。前にNHKでシークレットライブの放映を観てから、こういうところで聴きたかったと、席をとれた幸運を喜んでおられました。
わたしもおかげで気まずい思いをすることもなく、素敵なライブを味わえた。今年の運はこれで使い果たしたのか。年末ジャンボの分がまだ残っているとよいのだが。
01.Make-up Shadow
02.娘がねじれる時
03.ワインレッドの心
04.とまどうペリカン
05.リバーサイド・ホテル
06.ブラス・ピアス
07.ダンスはうまく踊れない
08.Tokyo
09.新しいラプソディー
10.嘘つきダイヤモンド
11.氷の世界
12.少年時代
[アンコール]
13.アジアの純真
14.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
歌詞はこちらでお読みになれます
2007年11月26日
井上陽水コンサート2007富士市
2007年11月26日(月) 晴
富士市文化会館(ロゼシアター)(静岡県) 18:30開演
静岡県富士市。名のとおり富士山が近く大きく見える。緑の季節に来て、その存在感に驚いたのは何年前だったろうか。東京方面から新幹線こだまで来ると、富士山が近付き、白い煙が何本も立ち昇る街が見えると新富士駅だ。雪化粧の富士が見られるかと思ったが、雪はまだ少なく、バスを待つ間に空の闇に沈んで行った。
客席が暗くなると、促すように拍手が起きる。ゆっくりと姿が現れてまた拍手。男声のコールが多く、指笛を鳴らすひとも。聴衆調査で「初めての人~」にかなりの拍手。リビーターも同じくらいいるように聞こえた。ラストだからだろうか。
鎌倉とほぼ同じ曲目で、「答えはUNDERSTAND」は最近唄いたい曲と。わたしも鎌倉で聴いて以来、頭の中でなり続けていて大歓迎。
「ダンス~」「鍵~」ひねりを効かせた唄いかたが大人な感じ。
「クレイジー~」「嘘つき~」「氷~」の三連発は目が覚めるよう。「クレイジーラブ」の力唱、「嘘つきダイヤモンド」のバンドとの激しいセッションに息が詰まる。「氷の世界」では一階は大半立っていた。
アンコールの「夢の中へ」、ベースのイントロにドラムが入るのがとてもクール。
秋のツアーの最終日です、とご挨拶。さみしくなります。“永い冬が窓を閉じて”(少年時代)しまう気分。どう過ごしましょうか。
最後なので書きたいことはいろいろあるが、明日は寒さの東へ向かわなければならない。またいつか書き足したい。
01.娘がねじれる時 with今堀(guitar)
02.Power Down
03.答えはUNDERSTAND
04.もしも、明日が晴れなら
05.心もよう
06.いつのまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
07.手引きのようなもの
08.Make-up Shadow with the band members
09.ワインレッドの心
10.とまどうペリカン
11.リバーサイドホテル
12.ダンスはうまく踊れない
13.鍵の数
14.新しいラプソディー
15.クレイジーラブ
16.嘘つきダイヤモンド
17.氷の世界
18.少年時代
[アンコール]
19.Happy Birthday
20.アジアの純真
21.夢の中へ
22.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
歌詞はこちらでお読みになれます
2007年11月21日
井上陽水コンサート2007鎌倉
2007年11月21日(水) 晴
鎌倉芸術館(神奈川県) 18:30開演
大船という東海道線の駅から歩7,8分のところにある立派なホール。乗り換えて2駅先の、観光地といってもいいような鎌倉と比べると普通の賑やかな町です。
「答えはUNDERSTAND」に大きな拍手。“馴染みのない曲を”という“野心的な年末”だそうです。そう聞いて楽しみが増えました。といっても、ツアーはあと1回で終わりですが。
1980年のアルバム『EVERY NIGHT』収録のこの曲、メロディがsweetです。歌詞はやはりよくわからない。ハニーは幸せなの?違うの?
「Power Down」完璧にロックですよね。今日は色がありました。
「ダンスはうまく踊れない」もリズムが心地よく、揺れて聴いた。
「とまどうペリカン」 わたしにとっては「お帰り~」って。
「クレイジーラブ」 今日も素晴らしい。
「ワインレッドの心」今堀さんのギターのイントロが聴かせる。水の音(?)が入る凝った演出。
席は十数列目と、安心してあくびができるあたり(しないけど)。傾斜が大きいので視界は良好。陽水はリラックスして見えました。
聴くとドキドキする硬質の低音が健在で、終わってしばしは自分がどこにいるのか忘れるほど。
最近の首都圏のライヴは聴衆が結構賑やか。年齢層が高いとよく言われるけれど、若い人も多いのではないでしょうか。合いの手をいれたりコーラスしたり、おかげでとても楽しい。陽水を歌う人たちが増えているのでしょう。
01.娘がねじれる時 with今堀(guitar)
02.Power Down
03.答えはUNDERSTAND
04.もしも、明日が晴れなら
05.心もよう
06.いつのまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
07.手引きのようなもの
08.Make-up Shadow with the band members
09.ワインレッドの心
10.とまどうペリカン
11.リバーサイドホテル
12.ダンスはうまく踊れない
13.新しいラプソディー
14.クレイジーラブ
15.嘘つきダイヤモンド
16.氷の世界
17.少年時代
[アンコール]
18.アジアの純真
19.渚にまつわるエトセトラ
20.夢の中へ
21.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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2007年11月06日
井上陽水コンサート2007八王子
2007年11月6日(火) 曇り
八王子市民会館(東京都) 18:30開演
八王子は東京でも山梨寄りのほうなので、昨日の黒磯に続くとハードなスケジュールです。でも、陽水もチームの皆さんも元気いっぱい、なんといっても地元ですもの。
近くの席から「ホテルはどこ?」などと聞こえるのは、新幹線での遠征組がいるのだろうか。こんなところへ?といってはナンだけど、大きいけれど普通の町のごくフツーの会館だ。
会社帰りらしいスーツ姿も見えて、首都圏こちらがわの陽水小僧たちも集結しているのか。この秋冬ツアーは東京では今日が最後ですからね。
そんなこんなで、アンコールの定番「夢の中へ」は聴衆のコーラスもあって大盛り上がり。笑顔の多い楽しいコンサート。陽水が元気なのも嬉しい。
「もしも明日が晴れなら」
目を閉じて「君」を小さい子供と想像しようとしたけれど、この曲調では、浮ぶのはやはり乙女の姿。
「嘘つきダイヤモンド」
昨日の「ミスキャスト」に代わってこの曲。言いたいことは「男女の仲」だそうです。意味があったんですね!(笑い)何も考えずに聴いていました。
「鍵の数」
“ジャズコーナー”のあったツアーで聴いて以来だ。実に味わい深く唄われて、うっとり。
黒田恭一さんが外国に住む知人に送る日本語のCDとうテーマで陽水のアルバムを選んでいるのを昔読んで、真似をしてジャズっぽい曲の好きなデンマーク在住の友達に『Blue Selection』を送った。歌の上手な彼女が、陽水の歌は難しいけれどこれなら歌えそうと言ったのがこの曲だった。
「Happy Birthday」の前に、誕生日が「今日とか昨日とか今月とか今年あったとか・・・」と。
今年って!(笑・笑)
01.娘がねじれる時 with今堀(guitar)
02.闇夜の国から
03.もしも、明日が晴れなら
04.限りない欲望
05.人生が二度あれば
06.海へ來なさい with今堀(guitar)&小島(piano)
07.手引きのようなもの
08.Make-up Shadow with the band members
09.ミステりーあなたに夢中
10.ワインレッドの心
11.リバーサイドホテル
12.鍵の数
13.新しいラプソディー
14.クレイジーラブ
15.嘘つきダイヤモンド
16.氷の世界
17.少年時代
[アンコール]
18.Happy Birthday
19.アジアの純真
20.渚にまつわるエトセトラ
21.夢の中へ
22.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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2007年11月05日
井上陽水コンサート2007黒磯
2007年11月5日(月) 晴 夜は曇り
黒磯文化会館(栃木県那須塩原市) 18:30開演
たまには日付の変らないうちに、とりあえずセットリストです。
急いで会場を後にしたので、あまり自信がないのですが。
「クレイジーラブ」最高!
01.闇夜の国から with今堀(guitar)
02.東へ西へ
03.もしも、明日が晴れなら
04.限りない欲望
05.人生が二度あれば
06.海へ來なさい with今堀(guitar)&小島(piano)
07.手引きのようなもの
08.Make-up Shadow with the band members
09.ミステりーあなたに夢中
10.ワインレッドの心
11.リバーサイドホテル
12.Tokyo
13.新しいラプソディー
14.クレイジーラブ
15.ミスキャスト
16.氷の世界
17.少年時代
[アンコール]
18.Happy Birthday
19.アジアの純真
20.夢の中へ
21.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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07年11月6日加筆
「もしも、明日が晴れなら」
初めて聴いた(かな?)
晴れたら外へ出る、のではなくて“話し合おう”ってところがフツーじゃないですね。1番から3番までそれぞれ、動きや音や光の変化が感情を揺さぶる様が歌われて、細やかな歌詞です。そんな感情から遠く離れたいま、郷愁をもって聴く。
でも、「君」は、小さな家族でもいいわけで、そう思うとほほえましい風景だ。
「ミスキャスト」
沢田研二に丸ごと提供したアルバムのタイトル曲です。
どうしてこんな詞ができたのか、どこかで語っているかもしれないが、ちょっと思い出せない。そこまで!と言いたくなるような、いやな奴の描写が続く。怖い曲だけど、嫌いではないです。
「クレイジーラブ」
昨夜も 最高! と口走ったが、持つ力を全部出し切るような唄いぶり。目も耳も釘付けでした。
ホールの1階はかなり傾斜があるので、10列目ぐらいだったが、視界は充分。2階まであって、陽水はときどき手を振ったり、「にか~い」と声をかけたり。とても喜ぶ声が降りてきていた。
熱心なファンのコールも賑やかで、年齢調査では30代までが結構多い。めでたいことです。
難をいえばアクセスの悪いこと。東北新幹線「那須塩原」から車で10分強。バスもあるが終演時間にはないらしく、道路事情からかタクシーもあまり来ないという。往きの車で予約を頼んだが断られ、電話してくれれば車があれば来ます、とつれない返事。
みなさんの悩み事などひとりひとり聞きたいといつものMCに答えると、ライブ中の気がかりは帰りの足でして、まことに不熱心な聴き手でした。案ずるよりは何とやら、タクシーが来てくれて早く帰れたのだが。
陽水は前日の夜中に到着したとのこと、紅葉&温泉の那須塩原なのだから、早く着いて堪能されればよいのに、よほどご多忙なのでしょうか?そんなふうに推測すると、やや元気がないような気がしてくる。お悩みごとがあるのですか?いつでもお聞きしますのでどうぞ(笑い)
2007年10月25日
井上陽水コンサート2007松戸
2007年10月6日(土) 晴
松戸森のホール21 18:30開演
01.闇夜の国から with今堀(guitar)
02.断絶
03.Power Down
04.限りない欲望
05.人生が二度あれば
06.海へ来なさい with今堀(guitar)&小島(piano)
07.少年時代
08.飾りじゃないのよ涙は
09.Make-up Shadow with the band members
10.新しい恋
11.ワインレッドの心
12.リバーサイドホテル
13.恋の予感
14.5月の別れ
15.クレイジーラブ
16.嘘つきダイヤモンド
17.長い猫
18.氷の世界
[アンコール]
19.アジアの純真
20.渚にまつわるエトセトラ
21.夢の中へ
22.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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07年11月4日 追記
秋のツアー開始からもうひと月、明日は那須黒磯ということなので、慌てて書き足している。
千葉県松戸市。都内から江戸川を渡ってすぐのところ。地下鉄は乗り入れているし、駅前にどんどんバスが来るし、終演後はホールの前に増発のバスが待っている。足の便がよいのがありがたい。駅から十分足らずでその名の通り森に囲まれたホールだ。
黒にピンストライブのジャケット、中は赤にやはり細い縞のシャツと秋らしい装いは昨日と同じ。“来年着る色を今年着てみました”とのこと。それを言うんだぁと思う。できれば、年齢不詳、性別不明の存在でいて欲しい。もちろん、メディアでいやでも知らされているのだけれど。
年齢でもそのほかのことでも、あまりはっきりさせると、規定されてしまう。“なのに”とか、“だから”とか、ラベルどおりの中味を要求されるでしょう?そんなものから自由でいたい。かといって、物理的な変化を受け入れないわけではないのですが。
もう日が経ってしまって記憶が定かでないが(それなら書かなきゃいいのだけれど)、この日はのびのびした印象。わたしもリラックスして楽しく聴いた。開始当初は心配な多少の不調も、最後にはいつも忘れている。
前日に比べると端で気楽な席だったが、そうなるといつの間にか陽水の視線の行く先を調べている自分に気づく。勝手なものです。だから、2階3階に向けて手を振る姿はとても嬉しい。
前日もこの日も、ペリカンが「渚にまつわるエトセトラ」にしかいないのが、淋しかったです。
井上陽水コンサート2007桐生
2007年10月5日(金) 晴
桐生市市民文化会館(シルクホール) 18:30開演
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.断絶
03.Power Down
04.カナリア
05.人生が二度あれば
06.少年時代 with今堀(guitar)&小島(piano)
07.娘がねじれるとき
08.手引きのようなもの
09.Make-up Shadow with the band members
10.新しい恋
11.ワインレッドの心
12.リバーサイドホテル
13.恋の予感
14.クレイジーラブ
15.5月の別れ
16.感謝知らずの女
17.嘘つきダイヤモンド
18.氷の世界
[アンコール]
19.アジアの純真
20.渚にまつわるエトセトラ
21.夢の中へ
22.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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07年11月4日加筆
秋のツアーが始まっている。といっても、もう一ヶ月も前のことで、いまごろ記憶を探って書いている、まぬけなだけの書き手です。
桐生は歩くと面白い街らしいが、この前もこんども早く発つことができず残念。この前とは、たしか4年前の11月、もっと秋が深まっていて、大通りからそれる暗い道を落葉を踏んで歩いた。
商店街は駅の反対側にあるのだろうか、出会う人もいない大通りを行くと巨大な円盤のような屋根がのった白い建物が見える。「シルクホール」という愛称から想像すると、丸いのは繭なのだろう。思ったより早くまだ明るいうちに着いて、エレベーターで繭の上に出るとそこもホールと展望スペース。遠くに山なみ、近くに市街と川(渡良瀬川か桐生川か)が見える。落ち着いた盆地の風景だ。
「Power Down」はアルバム『九段』に入っていると思い込んでいたが、調べると『UNDER THE SUN』(1993)で、今日はこのアルバムから3曲演奏されたわけです。
例えば“最近徹夜がきつくなってねー”などと言ってみたいお年頃だったのでしょうか。“いまなら実感する”というふうなMCがあったが、夏フェスの映像を観ると、まだまだそうは思えない。
久しぶりに聴いた曲だが、“弾き語り”で丁寧に唄われると、シニカルというよりちょっと身に沁みました。
今日も気力は充分だが、ちょっと緊張しているような気がしたが、多分それは聴き手のわたしのほう。
よくわからぬままに2時間が過ぎ、その中で、やおらとりあげた12弦ギターの豊かな音色と共に唄われた、「人生が二度あれば」の強い手触りが、確かに皮膚に残っているのみです。
2007年07月29日
井上陽水コンサート2007
2007年7月29日(日) 小雨
NHKホール(東京都) 16:00開演
昨日に続き東京へ。コンサートの前に前菜をと欲張って森美術館でル・コルビュジエ展を観た。この展覧会、凄いです。何がって、共同住宅の一室と、海辺の小さな「休暇小屋」が原寸大で再現されていて、入って見られるのです。寝坊して遅く行ったら、日曜日のせいか並んで待つようで時間がない。絵が沢山あったけど、みんなとばして。ほんの下見に終わりました。下見に1500円は高かった(笑い)
コルビュジエの晩年の名作と言われる「ロンシャンの礼拝堂」は、角度によって大きなきのこのよう。初期の白と直線の建物とはまったく違う。天才は変貌するのですね。変るけれど何かニュアンスが継続している。だから受け手はそれを認めるのでしょう。
陽水という天才も同じこと。変貌し続けてもやっぱりどこかが陽水で、だからわたしたちは聴き続けるわけです。もちろん、作者としてだけではなく、表現者としての存在の大きさ、このあたりが、建造物などとは違うところでしょう。
何年も前にテレビで見たインタビューで(この辺をちゃんといつの、どこのと覚えていないと発言する資格はないのだが)音楽について訊かれて「無いものだからいい」というふうに言っていた。はぐらかしの名人(失礼!)と思っていたので、真摯な答えに驚いたものです。それに、「無いもの」という言い方が実に陽水らしい。
例えば建物は保存してあれば、見ることも触ることもできる。音楽では、譜面や歌詞は残るけれど、今日聴く歌は今日限り、空気中に消えてしまう。記憶にあっても、取り出して触ることは出来ない。
ステージの上と客席とはいえ同じ時間に同じ場所にいて、こうして今日限りの歌を聴く。こんなに沢山のひとたちと一緒に、同じ喜びをもって「夢の中へ」を聴く。いまの時代に生きていてよかった、と思う瞬間です。
「夕立」 にわか雨のおかげか、この曲がツアーの最後に聴けました。まっすぐ帰って駅に着くとほんものの夕立。大きな雷の音が怖い。やりすごそうと駅ビルのデパートにいると、突然真っ暗に。停電だ。そこでハタと思い当たった。あの演出は、そうだったの?!いまごろ気づくなんて、バカだな~ですよね。
今日の1曲 今日は選べませぬ
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.かんかん照り
03.ゼンマイじかけのカブト虫
04.カナリア
05.Just Fit
06.人生が二度あれば
07.招待状のないショー with今堀(guitar)&小島(piano)
08.ミス コンテスト
09.手引きのようなもの
10.夕立 with the band members
11.Make-up Shadow
12.とまどうペリカン
13.リバーサイドホテル
14.恋の予感
15.新しいラプソディー
16.クレイジーラブ
17.感謝知らずの女
18.嘘つきダイヤモンド
19.氷の世界
20.最後のニュース
[アンコール]
21.Happy Birthday
22.アジアの純真
23.夢の中へ
24.少年時代
25.いっそセレナーデ
ツアーの最後ということで、メンバーのみなさんと揃ってご挨拶がありました。
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
歌詞はこちらでお読みになれます
2007年07月28日
井上陽水コンサート2007
2007年7月28日(土) 晴
NHKホール(東京都) 18:00開演
地域限定話題で恐縮だが、NHKホールへは渋谷駅からいくひとが多いですよね。わたしもずっとそうしていました。でもこの暑さに加えて体調不良で、今日はやめようかな、明日もあるしと迷って、ふと別の行きかたはないのかと思ったわけです。渋谷駅はすり鉢の底のようで暑さが特別で、人も多いでしょう?なるべくなら避けたい。
地下鉄の代々木公園駅から行ってみると、坂もきつくなく、緑も多く、第一ほとんど人が通らない。所要時間も渋谷からより少ないようです。他に、原宿(=明治神宮前)派もおられますね。平なのでラクかと思います。いずれにしても、出発地によりますが。
並んでいる人々を見ると案外若いひとが多い。年代問わずカップルも多い。
席はほぼ中央だが3階の後ろのほう。暗くなって拍手が起きるが、遠くて見えないので、もし前座の誰かだとしてもわからないなと思う(笑い) 唄い始めれば、もちろん陽水だったが。
「Just Fit」 1曲目でびっくり!バンドでガンガンという印象のこの曲を、ギター2本で。Ah・・、Ye・・・と入る高音にどきどきし、心が浮き立つ。来てよかった、と早くも思わせられる。
「招待状のないショー」 ステージではひとり(ギターがいますが)だからと。
暗いぎっしりの客席を本当はどんな風に感じるのでしょう。今日は3階の後ろに補助椅子が出ていた。どの曲にも終わると大きな拍手が。
「ミス コンテスト」 声とギターとピアノのかもし出す雰囲気にうっとり。表情のある曲です。
「手引きのようなもの」 入院していた友人が、“病と闘っているときにいちばんよかった”と言ってくれた曲と。
「娘がねじれる時」 バンドの部の1曲目。「夕立」は明日かな?もちろんこの曲に不満はないが。
「とまどうペリカン」 ♪はぐれたら~ と唄うのを聴くと、心細く切なくなるのです。
「タイランド ファンタジア」 わーお!わたしはこのツアーで多分初めてです。悠々として。
「Tokyo」 東京でもあまり聴けないこの曲。貴重なご当地song!軽やかな感じです。こんどは「恋の神楽坂」もお願いします。
「嘘つきダイヤモンド」 「長い猫」の位置にこの曲が。『LOVE COMPLEX』の曲がなくなったのは残念だが、「嘘つき・・・・」は久しぶりで嬉しい。ジャズアレンジもありましたね。
「Happy Birthday」 アンコールの1曲目。7月は唄われていなかったと思う。おめでとう!7月生まれのみなさん。
「夢の中へ」のイントロは、小島さんがまっすぐ手で指してギター今堀さん。
「少年時代」で終わりそうだったが、続く拍手にギターをとって「いっそセレナーデ」を。唄い始めて拍手が起きる。
3階から見ていると、照明がとてもきれいです。アンコールの終わり、紫色の床に楽団がいて、壁はカラフルな太い縞模様が鮮やか。
明日は2階です。こんどはオペラグラスを忘れないで。
今日の3曲
ジャスト フィット
ミス コンテスト
嘘つきダイヤモンド
01.Just Fit with今堀(guitar)
02.かんかん照り
03.ゼンマイ仕掛けのカブト虫
04.カナリア
05.人生が二度あれば
06.招待状のないショー with今堀(guitar)&小島(piano)
07.ミス コンテスト
08.手引きのようなもの
09.娘がねじれる時 with the band members
10.Make-up Shadow
11.とまどうペリカン
12.リバーサイドホテル
13.タイランド ファンタジア
14.Tokyo
15.クレイジーラブ
16.感謝知らずの女
17.嘘つきダイヤモンド
18.氷の世界
19.最後のニュース
[アンコール]
20.Happy Birthday
21.アジアの純真
22.夢の中へ
23.少年時代
24.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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2007年07月20日
井上陽水コンサート2007
2007年7月17日(月) 曇りときどき小雨
福島県文化センター 18:30開演
7月15日の久慈公演のあとの一日、青森へ行って県立美術館を見た。一昨年は公開前でおまけに3月なのに雪だったし、それ以来念願でした。青森駅から意外に近く、タクシーで10分ぐらい、シャトルバスもある。
公園のようになっている入口から望むと、木立の中の美術館は周りの緑に溶けそうな白。レンガに白を塗っているのだとか。だからあんなに柔らかな白なのだ。地上は一見1階だけと低い。
帰りに運転手さんが笑いながら「冬は雪が1mも積もるからねー、美術館わからないんだわ」と。消える建物、素敵です。
わたしには専門的な知識はないけれど、昨日の黒川紀章よりずっと好き。うっとり眺めた。青木淳設計。のんびりしたくなって、展示のほかにショップも見たり、カフェでカプチーノを飲んだり。
まだ少し時間があったので、昨日陽水が口ずさんだ『港町ブルース』に背を押されて、海峡の見える展望台へ連れて行ってもらう。天気がよく(この日だけでしたね、結局)紺碧の海が広がって遠くにかすんで陸地が。あれが北海道?じゃなくてそれは、下北半島と津軽半島で、その向こうが津軽海峡、運がよければその間に北海道が見えるのだそうです。遠いです。
つまり見ている広い海はまだ海峡ではなく陸奥湾だった。いやはや、勉強になります。
福島県文化センターは福島市の街からちょっと離れ、信夫山よりに建つ。信夫山は街はずれにあるかなり大きな山です。文化施設や高校が裾を取り囲むようにある。傘をさしたりささなかったり、下校する生徒達の姿がある。
開場を待って並んでいると、後ろの女性ふたりづれが、去年の郡山の話や、その前にここと風雅堂に来たのにチケットがとれなかったなどと話している。
「ここは5年ぶりで・・・」にすかさず「去年!」郡山!」と声がかかる。ここ福島では、井上陽水の実物を何度も見ているみなさんが多いのですね。
「白い船」 2曲終わって、福島はころあいがいい街などとご当地話のあと、30年ぶりぐらい?に歌うとこの曲を!初めて聴きました。
アルバム『断絶』で聴くこの曲は、コーラスやピアノやストリングスが入った整ったアレンジで、たしかにメロディの美しさは引き立つが、歌詞の雰囲気とずれがあるような気がしていた。
"弾き語り”で聴く今日は当然違う印象で、昔の思いをたどるような優しい歌い方。驚いている間に終わってしまった。こんなに短い曲でしたっけ?繰り返して聴きたかった。
季節の歌はこのところ「いつのまにか少女は」らしい。初夏の衣替えの季節にときめいた、というふうなMCがはいる。
さっき高校から帰る姿を見た女生徒の制服は、半袖のセーラー服(だったかな?)。男子とふたりで帰る子もいて、こんな光景なのかしらと、ちょっと想像する。
口笛つきの「ミスコンテスト」は2本のギターのアンサンブルがすばらしい。さまざまな曲に挑戦する今ツアーの”弾き語り”の部であります。え!というような曲を聞かせてもらった。この「ミスコンテスト」や「娘がねじれるとき」などなど。
バンドの部の最初は「東へ西へ」。「ワカンナイ」は残念ながら、ない。でも「とまどうペリカン」がcame back。そして・・・
絢香「三日月」 ぼくの歌じゃない、若い人の歌、最近マイブームで・・・・と
何?何?タイトルは言われなかったので、この曲を知らないわたしは頭の中が?でいっぱい。「がんばる」みたいな歌詞が聞き取れる。ふーむ、がんばる歌なのかな?割合速いテンポだ。観客は盛り上がっている。疑問符なんか忘れてちゃんと鑑賞すればよかったと、後悔したが先に立たず。
帰りに「白パネ君」で曲名を知った。陽水の持ち歌になるのでしょうか?Puffyに続いて?
サプライズは嬉しいけれど、あのう・・・「LOVE COMPLEX」普及係を忘れていないわたしは複雑な心境です(笑い)
「氷の世界」では例によって興奮のるつぼに。陽水も「二階~~」と叫んだり、ジャンプしたり。
太鼓が♪ドーンドーンツクツクと大きく叩かれて激しさを予告する「傘がない」。心臓まで響いて、終わって大きなため息。息をつめて聞いていたのだ。
アンコールはもういつもの興奮コースで、大歓迎を受けた福島公演は終わった。
旅の終わりでもあります。「ありがとう」と何回も言葉を残して。バンドメンバーのみなさんも、最敬礼をして。
いいですねー、東北公演。また来たいです。自分の足で歩けるうちに(笑い)
01.青空、ひとりきり with今堀(guitar)
02.断絶
03.白い船
04.ゼンマイじかけのカブト虫
05.夏まつり
06.人生が二度あれば
07.いつのまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
08.ミスコンテスト
09.飾りじゃないのよ涙は
10.東へ西へ with the band members
11.Make-up Shadow
12.とまどうペリカン
13.リバーサイドホテル
14.恋の予感
15.新しいラプソディー
16.三日月 (絢香)
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.傘がない
[アンコール]
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.少年時代
今日の2曲
白い船
傘がない
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
歌詞はこちらでお読みになれます
2007年07月19日
井上陽水コンサート2007久慈
2007年7月14日(土) 曇りときどき風雨
久慈市文化会館(アンバーホール) 18:00開演
盛岡から久慈へ。「LOVE TRAIN」なら東京→京都3時間なのに、同県内でも4時間もかかる路線を選択したのは、リアス式海岸が見えるかと思ってのこと。これは誤算だったのだが、海岸へ出るまでの山中や高原が素晴らしかった。
台風におびえ、とにかく現地へと早めに駅へ行くと、久慈への直通が出るところで、飛び乗る。偶然これがイペント列車のひとつで、一番うしろの車両の後半部分は高くなり、しかも座席が後ろ向き。
線路は単線で、にわか鉄道マニアになって楽しむ。緑の木々の枝が窓をこすり、トンネルは数知れず、丸い入り口が遠ざかるのが美しい。駅は無人駅が多くて、車掌さんが切符を受け取る。
右に左に川が現れる。まさに心が洗われるような清流で、底の小石まで見える。何が釣れるのか、雨もようなのに釣り人の姿がある。
お弁当を注文すると、宮古で受け取れるという。奮発して(笑い)1700円のものを注文。宮古では、JRから三陸鉄道に変るのだが、お弁当はまだ出来ていなくて、列車は何分か待つ(!)。やっと届いたそのお弁当は二段重ねで、一段は4種類の味付けご飯の上に、いくら、かに、うに・・・・・いやいや、そんなことを書いていると本題に入れない。とにかくおいしいし量も多くて満点でした。
久慈駅を降りて反対側にまわると、まっすぐ向こうに目立つ建物が見え、それが、久慈市文化会館だった。立派です。高い円錐形のガラスの塔を中央に、両側に広がる翼をもつように見える。黒川紀章設計だそうだ。この建築家の作品はずいぶんあちこちで見る。和歌山の美術館、博多の福岡銀行本店、金沢の厚生年金会館もそうだったかも。最近では、国立新美術館が有名だ。
塔に昇れば市が一望だそうだが、着いたときは駅から見えたホールさえも、5時すぎには雨か靄か見えなくなっていたほどなので、諦めた。
愛称「アンバーホール」1998年オープン。amber 琥珀。 ここは琥珀の産地なのだそうです。
立派なホールがあり、大きな市役所もあったが、県庁所在地の盛岡まで、バスでも2時間以上。八戸まで列車で1時間弱。通学や通勤はどうしているのだろうかと思う。
観衆はずいぶん年配の方から小学生?まで、幅広い年齢層。日曜のせいか男性も多い。
陽水は、もちろんここへ来るのは初めてだそうです。
「初めて僕を見るひと~」に大きな拍手を聞いて「想い出に残るようなコンサートにしたい」と。
2曲目「断絶」のあとでは、「盛岡から車で来たが、素晴らしかった。殆ど圏外で・・・」と笑わせ、この辺のことは、少しわかっていると「港町ブルース」の一節を口ずさんだり、徐々に観衆の心をつかむ。
ここでの 「人生が二度あれば」は、いつにも増して、襟を正して聴いた。
1曲目「青空、ひとりきり」も嬉しい。
バンドの部の最初は、「東へ西へ」。バンドで聴くのは久しぶり。疾走感がたまらない。
「ワインレッドの心」に大きな拍手が。イントロはギター今堀さん。
「ワカンナイ」も今日はバンドで。高く転調する、これはライブバージョン?久しぶり!
実は次の「新しいラプソディー」はドアの外で聴いた。というのは、恥ずかしいけれどトイレに行きたくて(だって寒いんだもの)タイミングを狙っていたら、ちょっと前の列の男性が立ったのでまぎれて外へ出た。で、曲が終わるまで待っていたのだが、外だとバンドの音が小さくなって、陽水の力のある歌声がよく聞こえ、かえって感動したのでした。
「長い猫」の前に、メンバーからも挨拶をと、久慈の印象を訊ねる。ついでにイヌ派かネコ派かと。なんと、ネコ派は陽水だけだそうです。ちなみにわたしは、まったくネコ派です(訊かれてないですね)
ところで、ここ久慈にダンスの上手な娘さんがいた。2列目ぐらいか、ちょうど席が端で、左の空いたスペースで踊っていた。
「氷の世界」の間奏でちょっと披露して。歌が始まると止めて坐るのがつつましい感じ。アンコールでははじけたように、ダンシング、ダンシング。ハーフパンツから伸びる細い足首を巧みに操るスビーディな動きにみとれた。
「夢の中へ」のイントロは、なんと陽水が!
わたしも席が端だったので見渡すと、こんなに年配の方も多いのに、殆ど立って、体中で楽しんでいる。じーんとする。
「少年時代」の最後では、陽水も感じるものがあったのか声が詰まり、歌い終わって、「またお会いしましょう」と。
今日の久慈でのコンサートに立ち会えて、幸せです。
今日の3曲
東へ西へ
ワカンナイ
夢の中へ
01.青空、ひとりきり with今堀(guitar)
02.断絶
03.闇夜の国から
04.ゼンマイじかけのカブト虫
05.限りない欲望
06.人生が二度あれば
07.いつのまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
08.海へ来なさい
09.飾りじゃないのよ涙は
10.東へ西へ with the band members
11.Make-up Shadow
12.ワインレッドの心
13.リバーサイドホテル
14.ワカンナイ
15.新しいラプソディー
16.クレイジーラブ
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.最後のニュース
[アンコール]
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.少年時代
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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投稿者 きさら先 : 01:12
2007年07月18日
井上陽水コンサート2007盛岡
台風、大地震と大きな災害にみまわれた海の日三連休でした。
それを思うとはしゃぐのははばかられますが、東北三公演で、井上陽水コンサート2007の“tour”は無事終わったわけです。そういえば、昨年も東北で終わり、同じようなことを書いた気がします。
まずは、陽水もメンバーの方たちも、お休みもなく完走されたことを喜びたい。
7月は土、日の公演が多かったので、可能というだけでチケットをとってしまったら、さすがに日程がきつくて疲れました。誰も同情してはくれないけど。
洗濯物でいっぱいの鞄を抱えていつもの駅に降り、日常に戻る。いつものコーヒー、いつもの番組、行きたかった展覧会、読みたかった本、友達との約束、一日中ごろごろしててもいいし。なんかね、自由になったような気持ち。
一日にたった二時間余の拘束(それも坐っているだけ)ですんでいるわたしでさえそうなのだから、陽水やチームのみなさんは、さぞかしほっとしておられるでしょうね。もちろん、まだNHKホールがありますが。
ところが、10月からの追加公演が発表に!まだまだ余力があったのですね、凄い!
2007年7月14日(土) 曇り、いまにも雨
岩手県民会館 18:30開演
ホテルで教えてもらった、元祖冷麺のお店(焼肉店)へ行く。有名店らしく、夜の部オープンの5時からいっぱいだ。あとから入ってきたカップルの男性のほうが、陽水民生の紫Tシャツ姿、。注文の仕方がなれているところを見ると、この辺りのひとでしょうか。あとをついて行けばホールに着くんだなと安心する。
会館は中津川にかかる与の字橋の袂にある。この川は北上川の上流だそうで、川幅はかなり広い。川に沿って遊歩道があって、天気がよければ歩いてみたい。
黄色のレンガの外観からは想像できない白っぽい内装のきれいなホールです。
1曲目「東へ西へ」のあとで、冒頭に記したような、“tour”がここら辺で終わると挨拶がある。拍手。
2曲目の「闇夜の国から」は恋の歌、決意の歌と。今日は切ない感じはしない。キッパリと船出して。
「ワカンナイ」 ご当地で聞けてラッキー!今ツアーでは初めてでしょうか。好きな曲です。
「ゼンマイじかけのカブト虫」 ご自分では、情景が浮ぶとのこと。その情景を見てみたい。
聴衆はとても熱心で、1曲ごとに大きな拍手。そして笑い声。陽水の話もなめらかに進む。
「娘がねじれるとき」は、陽水のギター1本で始まり、小島さんが迷っているように見えたのは、突然だったのでしょうか?途中からギター2本とピアノのアンサンブルがとても素敵。
バンドの部の最初は「ミステリーあなたに夢中」。
昨年のアンコール公演最後の日に山形で初めて披露した曲。東北は陽水にとって「ミステリー」なの?(笑い)
客席はどんどんヒートアップして、「氷の世界」では何人も立つ。間奏で振り仰ぐと、高い2階3階に水色のライトが当たって美しい。個室のようなバルコニーが優雅だ。
陽水は高みを何度も見上げて手を振っている。
アンコールでは待ちかねたように1階はほぼ全員スタンディング。手拍子したり踊ったり。
「夢の中へ」のイントロはベースの美久月さん。かっこいいです。
「少年時代」から「いっそセレナーデ」へ。陽水も声を詰まらせながら唄い切り、終わった。
「あっという間だったね」
「楽しかったね」
「たいしたもんだ」
口々に言いながら会場を出る人々に混じって、わたしも興奮して帰りました。
入口でもらったチラシを開演前に眺めて笑ってしまったのだが、それは、井上陽水奥田民生のLive DVD「Double Shopping Drive」で、こんな計算式が・・・・
フォーライフの至宝!+SMERの至宝!=日本の至宝!!
そういうものが出るとは知っていたが、テレビで観たしなぁとか思ってよく把握していなかった。読むと、○秘映像もあるらしい。あの“大爆笑と大興奮”(これもチラシより)を思えば、二枚組7140円は高くないかもと、宣伝に加担しておく。7月25日発売だそうです。
今日の3曲
ワカンナイ
娘がねじれるとき
とまどうペリカン
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.闇夜の国から
03.ワカンナイ
04.ゼンマイじかけのカブト虫
05.夏まつり
06.人生が二度あれば
07.いつのまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
08.娘がねじれるとき
09.飾りじゃないのよ涙は
10.ミステリーあなたに夢中 with the band members
11.Make-up Shadow
12.とまどうペリカン
13.リバーサイドホテル
14.恋の予感
15.新しいラプソディー
16.クレイジーラブ
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.最後のニュース
[アンコール]
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.少年時代
25.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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2007年07月10日
井上陽水コンサート2007下関
2007年7月8日(日)曇り
下関市民会館 18:00開演
昨日は尾道で穏やかな休日を過ごした。尾道水道という静かで小さな海は、梅雨空の下でも濃い緑色、その向こうの島々、行き交う船、旅情という言葉がぴったりのおまけの一日でした。
今朝は途中から新幹線で、小倉経由で宿泊地の門司港へ。こんどこそ海底トンネルを確認しようと思ったのに、うとうとして、♪もうすぐきみのエリアに入る♪と歌声がイヤホンから聞こえて気づくと小倉だった。門司港はそこから十数分戻るのです。ちなみに小倉→下関も同じくらいで、ほんとに隣町。
夕方、決意も新たに下関に向かう。電車は門司駅を出ると間もなく、ちょっと警笛を鳴らし、車内に灯りがついてトンネルへ。海底って凄く深いのだろうに、それほど急坂を下っているふうでもない。
トンネルが終わるとすぐ下関駅だ。ホールとは反対側に、「下関漁港」の海が見える。
会場は駅から近く、なかなか立派。1階の座席のどの辺りまでか傾斜がないので、ステ-ジが高い。開演予定の午後6時5分前にはベルが鳴り、ジャストに始まる。珍しいです。
陽水は一昨日よりさらにテンションが高く、しかもリラックスしていて、まるで親戚の家にいるようなのは、九州からお友達などが見えている(とのこと)からだろうか。ここは30年以上?前に来たきりで、郷里から近いのになぜそんなに来なかったのかと。その場所に来ることによって、よみがえる想いがあるのでしょう。いろいろ話してくれました。「下関を語る夕べ?」なんて笑うほど。
合う場所と合わない場所がある、ここでは微妙、と「なぜか上海」。
「カンドレ・マンドレ」はフルコーラスを。ギターも素敵。処女作は本質を表しているかもとのことです。
コールも多くて、元気な聴衆に混じって楽しい。
「娘がねじれる時」に驚き、「恋の予感」にまた目を見張り、「ジェラシー」のひと声の威力を再確認し、「クレイジーラブ」でこなごなになりそう。
「最後のニュース」 「氷の世界」で沸き立っている聴衆に「聴け!」といわんばかりの迫力で始まる。一語一語明瞭に語りかけられて、二酸化炭素を減らすために、わたしは何かしているだろうか?
帰宅して久しぶりで西友で買い物をしたら、どの売り場でも「袋は要りますか?」と問いかけられた。変化はあるのだ。明日からマイバッグを持ちます、せめて。
アンコールで当然のようにみんな立つ。曲は福山と同じだが、「夢の中へ」のイントロが今堀さんのギターで始まって、しかも短かい。舌をかみそうな超スピードを唄いきって「少年時代」へ。
北九州と下関は近いという話から、橋もあるしトンネルもあるし、「最近は新幹線用のトンネルもあるそうで」と陽水。
そうなの?せっかく把握したつもりだったのに、二つあるとは!関門海峡の謎は深まるばかりです。
今日の3曲
「人生が二度あれば」
「娘がねじれる時」
「最後のニュース」
今日の1曲
「最後のニュース」
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.闇夜の国から
03.なぜか上海
04.カンドレ・マンドレ
05.夏まつり
06.人生が二度あれば
07.招待状のないショー with今堀(guitar)&小島(piano)
08.海へ来なさい
09.手引きのようなもの
10.娘がねじれる時 with the band members
11.Make-up Shadow
12.ジェラシー
13.リバーサイドホテル
14.恋の予感
15.新しいラブソディー
16.クレイジーラブ
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.最後のニュース
[アンコール]
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.少年時代
25.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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2007年07月09日
井上陽水コンサート2007福山
2007年7月6日(金) 曇り時々雨
ふくやま芸術文化ホール(リーデンローズ) 19:00
福山は3、4年ぶりとか。そこに、前のほうの席で観客が「去年!」と言っている様子。「そうでしたか?記憶が曖昧で」と答えた陽水だが、アンコールの出で「やはり3、4年ぶりだそうで」と律儀に報告してました。
たしかに前回は2003年11月の末ごろで、“フライング”で「ホワイト クリスマス」を唄ったのでした。
このホールは、外観やロビーが、豪華なホテルか宮殿かという立派さ。周りも広々していて、開演を待つ人々も絵になっている。中は3階まであって、それぞれ張り出したバルコニーが印象的。
駅前から臨時バスが出て、帰りもホールの前で待っているのが、道不案内の者にはありがたい。行きに乗り合わせた女性は、「時には楽しいことがないとね!」と浮き浮きしていた。
こういう劇場は会員を持つことが多いためか、クラシック ファンらしい客層と、プロモーターの会員らしい若い客層、そしてさっきバスで会ったような陽水ファンで3階までいっぱい。
隣に若い男性の二人連れがいて、ちょっといやな予感。というのは、どこかで、終始足を前に投げ出して椅子にもたれ、拍手ひとつしない若者がいたからで。どう聞こうとそれは自由だが、しらけるものです。
今日の彼等はだんだん乗ってきて、アンコールで待っていたように立ったので、密かにやった!と。
メニューは沖縄の二日間とそう変りはないが、陽水はよく喋って明るい。記憶術など紹介し、記憶にはとんと弱いわたしは感心して聞いていました。そんな話にも、「今日はアカデミックなコンサートで」と笑いをとるのを忘れない。
故郷のお祭りの話をして、ピックをくわえて、膝においたギターで祭り太鼓のリズムを叩いて。さすがに様になってて上手です。ここはドラムス山木さんのコメントを聞きたいところです。
ピックを口にしたまま話すのがおかしい。なかなかのワザと自慢して。ホテルへ帰って、ティーバックで真似をしてみたが、たしかに難しいです(笑い)
「リバーサイドホテル」を聴きながら思ったのだが、「少年時代」が演奏されないことはあっても、この曲が聴けないコンサートはない。いつからかはわからないが。
わたしの調査によれば(対象は5人だが)陽水で知ってる1曲というと中年以上では「リバーサイドホテル」で、若いひとは「少年時代」である。
そうそう、たしか宮崎で、帰りに順番で乗ったタクシーの運転手さんに、「お客さん、さっきお送りしましたね」と言われた。偶然ってあるものだ。そんなことで親近感が沸いて、「井上陽水よかったですか。リバーサイドホテルね、あれは高くって」などと。さてはカラオケで歌うんですね。
聴衆が喜ぶのはもちろんだけど、それだけではなく、なにか役割があるような気がする。中盤に置かれたこの曲で陽水世界が確立するというか・・・・。空気を、支配する力があるから、この曲にも、これを唄うときの陽水にも。
7月になって最初のコンサート、季節の曲は何かな?と思っていたが、「自然に飾られて」の位置は「恋の予感」が占めたのでしょうか。すっかり「陽水バンド」の曲になっている。
「夕立」 かっこいい!
おとなしいかなと思っていたこのホールだが、アンコ-ルで振り返ると、2階も3階も手を打ち、立ってるひとも。壮観でした。
今日の3曲
夕立
恋の予感
クレイジーラブ
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.闇夜の国から
03.ゼンマイじかけのカブト虫
04.白いカーネーション
05.夏まつり
06.人生が二度あれば
07.いつのまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
08.海へ来なさい
09.飾りじゃないのよ涙は
10.夕立 with the band members
11.Make-up Shadow
12.とまどうペリカン
13.リバーサイドホテル
14.恋の予感
15.新しいラプソディー
16.クレイジーラブ
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.最後のニュース
[アンコール]
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.少年時代
25.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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2007年07月03日
井上陽水コンサート2007沖縄
2007年6月27日(水) 晴
沖縄コンベンションセンター 19:00開演
沖縄在住の友人と会う。
快晴の暑さに弱気のわたしは、「ホテルでランチしようよ」と言ったのだが、「沖縄まで来てそれはない!」と連れ出された。「暑いのはごめんだけど海を見たい」というわがままな願いを聞いてくれての行く先は、南のほうの東に突き出た半島(らしい)へのドライブ。
絶景のニライカナイ橋(この橋、川にかかっているのではない)を渡り、崖から海を見渡すお店で昼食。沿岸寄りの珊瑚礁とその向こうで海の色がまったく変り、間に波で白い線が引かれている。いくら見ても見飽きない濃い濃い色の海だった。
別れ際、夕方の予定はビーチで冷たいお酒を飲みながら日没を見てコンサートへ、と言うわたしに、それはどうかな?と笑って彼女は去った。
6時をすぎればいくらか日射しはやわらぐかと外へ出ると、甘かった!まだ真昼。トロピカルビーチは安全そうな海水浴場で、子供たちが海でばしゃばしゃ遊んでいる。もう夏休みなの?違うよね?
残念ながら、トロピカルな冷たいお酒をなどという大人な雰囲気ではない。せいぜい缶ビールか。木陰に坐って待ってみたが、海の向こうの太陽は沈む気配もない。コンサートがもっと遅かったらよかったのに。
その浜から会場は近い。途中で、ビーチの「遊泳は7時までです~」というアナウンスと、会場の「チケットをお持ちの方は~」という声が混ざり合って聞こえるほど。
今日は会場の気温も熱気も高い。
1曲目は「闇夜の国から」。2曲目が、前日と入れ替わって「東へ西へ」。
「ゼンマイじかけのカブト虫」を「よくわからない歌の始まりの曲」というふうに陽水は言うが、「東へ西へ」も充分わからない。制作年は知らないが、収録アルバムは「東へ西へ」が『センチメンタル』1972年で、「ゼンマイじかけ・・・・」(『二色の独楽』1974)より2年前だ。『センチメンタル』の中では異色だと思う。あえて矛盾した詞、テンポによって変って聞こえる、陽水らしい曲ですよね。
「沖縄は何回目か・・・・まあ4年ぶりなんですけど」この「4年ぶり」は、その朝の『琉球新報』の“はと笛”なるコラムに載った前夜のコンサート記事を引いての言葉だろうが、「・・・」のところで、何を言おうとしたのだろうか。その4年の間に、NHKの番組の撮影があったはず。話さない胸中を察する資格はないのだけれど。
脈絡のない話ぶりは、いまや陽水の持ち味として認識されているらしいが、この日はまた特に拍車がかかっていたような気がする。
「夏まつり」から優等生的(私感です)な曲が続いて、会場の暑さもあってちょっと昼間の疲れが出るが、「飾りじゃないのよ涙は」で立ち直りかけてバンドの部へ。
「夕立」 目が覚めるようだった。歌詞を読むと「Ah-」と記されているくり返しを、「ワーフ」または「ワーブ」と唄う。それは今日だけではないが、今日の声と唄う姿を観て聴いていると、どこか向こうへ“ワープ”してしまいそうだ。まだ、これから聴く方もあるだろうから詳しくは書かないが、ロックな「夕立」わたしももう一度聴きたいです。
実は帰って来てからずっと、仕事中も、電車でも、歩きながらも、食べながらも、芝居を観ながらも(こらこら)、映画ダイハード3をTVで観ながらも(時間の無駄だった)、この日のコンサートを表現する言葉を探していた。
そうやって今日まで引っ張ってみたが、凄い!とか、迫力!とか幼稚な言葉しか浮ばない。
まあとにかく、「夕立」から怒涛のような(これも陳腐)何曲もが続いて、狂気の「氷の世界」へなだれこむ。観客は興奮してみんな手拍子。
わたしもご近所と一緒に手を叩いていたのだが、途中で止まって手を合わせたまま聴く。あまりの激しさに呆然として、息をするのも忘れるようだった。
唄った陽水はちゃんと正気で(当たり前)ハーモニカも投げて、なんとすぐ近くへ。運動神経皆無、闘争心欠如のわたしはキャッチできなかったが、動揺して次の「傘がない」の初めを聞き損ねてしまった。未熟である。
冒頭で言っていた「奄美大島から一週間の旅の最後の日」は、アンコールの「いっそセレナーデ」でも鎮められないまま、熱く終わったのでした。
今日の1曲 「夕立」
01.闇夜の国から with今堀(guitar)
02.東へ西へ
03.断絶
04.ゼンマイじかけのカブト虫
05.なぜか上海
06.夏まつり
07.人生が二度あれば
08.いつのまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
09.海へ来なさい
10.飾りじゃないのよ涙は
11.夕立 with the band members
12.Make-up Shadow
13.とまどうペリカン
14.リバーサイドホテル
15.自然に飾られて
16.新しいラプソディー
17.クレイジーラブ
18.感謝知らずの女
19.長い猫
20.氷の世界
21.傘がない
[アンコール]
22.アジアの純真
23.渚にまつわるエトセトラ
24.夢の中へ
25.少年時代
26.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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2007年06月30日
井上陽水コンサート2007沖縄
2007年6月26日(火) 晴のちスコールのち虹
沖縄コンベンションセンター 19:00開演
那覇へ向かう機内では、曇りと告げられていたが、着いてみると快晴である。ビーチが近いらしいので夕陽を見てから会場へ、なんてつもりで出かけた。ところが、一天俄かにかきくもりというのでしょうか、急に激しい雨。今日はにわか雨があるからお出かけには傘をとホテルのお姉さんに言われていて助かったが、わずかな距離なのに、膝から下はずぶぬれで、よく効いた冷房が恨めしい。
ここは展示棟だそうで大きなテント状の屋根の建物。アリーナにはパイプ椅子が並んでいる。一個一個に「井上陽水○列○番」と紙がとめてある。大変な作業だ。受付は外のテントで、リストが表示されるパネル(白パネ)も外に立たされている。
一階が平らだからか、ステージは見上げる位置。そして高いスタンドの席がアリーナを取り囲んでいる。こういう会場は、音響がどうのこうのではなく、雰囲気ですね。
一曲目「東へ西へ」で ♪かんかん、空はかんかん と唄って、「かんかん照り」へ。
「この辺は指笛が・・・・・沢山聞かせてください」
ほんとですね、指笛!吹いているのは男性でしょうか。鋭い音が闇を裂く。メロディを吹くひともいました。名人級?
陽水も真似をしてみせるが、まだまだで(笑い)
「闇夜の国から」 このツアーではかなり登場する曲です。「珍しく前向きな」と陽水自身も言うように、幸せそうなふたりの船出の歌。“あくびの顔で”のことばがリアルなイメージを喚起する。
今日は、この曲に妙に、若々しいあせり、飢餓感のようなものを感じさせられた。歌詞にはそんな気配はないけれど、一緒にいるのに、もっともっと充たされたい、そんなあせり。この曲を聴いて、切ない気持ちになったのは初めてです。
「なぜか上海」 沖縄で聴きたかった曲。やや異国を思わせる街と海にぴったり。
ピアノが加わっての「招待状のないショー」 わたしだけで聴いているような。おそらく全員がそんな気持ち。
「夕立」 期待どおりの登場。バンドの音が大きくて、競うように陽水が唄う。
「新しいラプソディ」のあと、メンバー紹介。ひとりひとりに沖縄滞在の感想などを訊く。それぞれ、奄美大島から移動日をいれて2日間の、プチバカンスを楽しまれた様子。
「最後のニュース」沖縄でこの曲を聴くと、つい先日の“慰霊の日”に観た映像を想わずにはいられない。刻まれた名前を手でなぞっている姿があった。
十何年か前に来たとき、海をのぞむ南の先端で、軍艦からの砲弾を“鉄の嵐”と形容した碑を読み、つくづくその恐ろしさを実感したことなどを思い出す。
アンコールの最後は、メンバーに曲名が次々伝わって「いっそセレナーデ」
指笛では敵わないけど、これなら負けないぞ、とばかりの口笛つきでした。
伝言ゲームみたいに、途中で変ってしまったら面白いけど、そんないたずら者はいなそうです。
今日の一曲
「闇夜の国から」
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.かんかん照り
03.闇夜の国から
04.なぜか上海
05.夏まつり
06.人生が二度あれば
07.招待状のないショー with今堀(guitar)&小島(piano)
08.海へ来なさい
09.飾りじゃないのよ涙は
10.夕立 with the band members
11.Make-up Shadow
12.とまどうペリカン
13.リバーサイドホテル
14.自然に飾られて
15.新しいラプソディー
16.クレイジーラブ
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.最後のニュース
[アンコール]
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.少年時代
25.いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
歌詞はこちらでお読みになれます
2007年06月20日
井上陽水コンサート2007水戸
2007年6月19日(火)
茨城県立県民文化センター
01.断絶
02.かんかん照り
03.ゼンマイじかけのカブト虫
04.白い一日
05.限りない欲望
06.人生が二度あれば
07.いつのまにか少女は
08海へ来なさい
09.飾りじゃないのよ涙は
10.11;36 LOVE TRAIN
11.Make-up Shadow
12.とまどうペリカン
13.リバーサイドホテル
14.自然に飾られて
15.新しいラプソディー
16.クレイジーラブ
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.最後のニュース
[アンコール]
21.Happy Birthday
22.アジアの純真
23.渚にまつわるエトセトラ
24.夢の中へ
25.少年時代
Cさんありがとうございます♪
「白い一日」!
聴きたかったです。
2007年06月17日
井上陽水コンサート和歌山
2007年6月13日(水) 曇り
和歌山県民文化会館 19:00開演
奈良から和歌山は意外と近い。昼過ぎまで奈良で過ごして夕方和歌山に着く。あまり高層の建物がないせいか、広々と感じられる街です。
紀ノ川のほぼ河口に橋があると、この街の友人が教えてくれた。河口ウォッチャー(何それ?)のわたしとしては渡ってみないわけにはいかない。
ひとつ川上の「紀ノ川大橋」を渡り、向う側を下って河口の「100円橋」を渡って戻ってくる作戦。これも友人のアドバイス。
紀ノ川は水量が多く、堂々と流れていた。親切な運転手さんが「気いつけてな、右も左も」と言いながら停めてくれた100円橋の途中を横断して海側を見る。どこまでが川かわからなくなってゆく辺りが気持ちがいい。河口って人生の終わりの象徴のようだ。
この橋の正式名称は「河口大橋」だけど、有料で車100円なのでそう呼ばれているらしい。ちなみにバイクは10円かな?とのこと。
ついでに港に行くと、徳島行きフェリー乗り場があった。晴れていれば四国が見えるそうです。ぼんやりと緑色の淡路島を見た。四国とこんなに近いなんて!知識がないと驚きが大きくて得をするのです。
昨日の奈良に比べると、このホールは普通である。観客はより活気があってコールも多い。だいたい同じようなリストで進行する。でも、今日のほうが気持ちが高まってゆく。
だいいち、最初の「東へ西へ」の聞こえ方が違う。
「ミスコンテスト」 ギター2本で。今日のサプライズです。光と影を感じさせるこの曲、憂愁?儚さ?に満ちて、うまく言えないけれど、その声はまだ耳に残っている。
「クレイジーラブ」 どうもわたしはこの曲に感情をゆさぶられるらしい。気づくと身を乗り出し、目は釘付け。
「傘がない」 アンコールの最後。この位置の曲って決まっていないのでしょうか。陽水がメンバーに伝えてのこの曲。凄い迫力に呆然。
ツァーも2/3にさしかかるあたり、昨日と今日と続いた関西。その前は一日おいて名古屋2daysだったはず。連日テンションを高く保つのは大変ではないだろうか。ギターを弾き、唄う。肉体的にもかなりの労働かと思われ。
凡人とは精神のありようが違うだろうから、余計な心配なんですけどね。自分の気分がちょっと低かったものだから、ついそんなことを思ったのかも。
わたしはというと、ライヴの恩恵で、往きより元気で東へ戻ったのであります。
今日の1曲 ミスコンテスト
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.断絶
03.かんかん照り
04.ゼンマイじかけのカブト虫
05.人生が二度あれば
06.いつのまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
07.ミスコンテスト
08.飾りじゃないのよ涙は
09.11;36 LOVE TRAIN with the band members
10.Make-up Shadow
11.とまどうペリカン
12.リバーサイドホテル
13.自然に飾られて
14.新しいラプソディー
15.クレイジーラブ
16.感謝知らずの女
17.長い猫
18.氷の世界
19.最後のニュース
[アンコール]
20.Happy Birthday
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.傘がない
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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井上陽水コンサート2007奈良
2007年6月12日(火) 晴
なら100年会館 19:00開演
都内で用事を済ませて、午後の列車で奈良へ。京都駅での乗り換えの係員さんはいつも親切で感じがよい。そのイントネーションからも、関西に来たんだなぁと、ほっとする。
このホールはその形への興味から、一度来てみたかった。周りをぐるっとひとまわりする。巨大な卵?陸に置かれた潜水艦?どこをとっても曲線の物体が、瓦風のタイルで覆われている。磯崎新の設計だという。
エントランスはさすがに直線だが、入ってみると、その物体が中に突き抜けている。こんな二重構造だと、舞台や客席の見当はさっぱりつかない。
座席にはブロック番号だろうか、アルファベットの立て札が立っていて、スタッフもそれをたよりに案内してくれる。標準は1500席弱だそうだが、もっとずっと大きい感じ。船の中(?)だというのにとても高い階まである。補助席もあり立ち見も出ていて、盛況だ。
このホールの音響についての噂は聞いていた。「東へ西へ」「断絶」と快調に始まったが、声よりギターの音が勝っているのは、音のバランスのせいなのかもしれない。
そんな感じもにも慣れたころ、「夏まつり」で弾くギターに目を奪われた。これが12弦ギターなんですね。なんとよぶのか12個の弦を巻くところ(無知)が、キラキラと光って美しい。宝石で飾られて回りながら飛んでゆく矢じりのようだ。そんなものがあるのかどうかは知らないが。
「11;36LOVE TRAIN」 関西ではやはりこの曲!
「とまどうペリカン」 今日はライオンの気持ちを想像して聴いた。
どこまでもついて来るペリカン、気づくと遠くから自分を見ているペリカン、その気持ちにライオンはどう応えているのでしょうか。戦いの作戦を練っているときなど、ちょっと邪魔に思うかも。
“海へお帰り”と突き放しているかもしれない。でも、姿が見えないと、それとなく探しちゃったりするのでしょうか。
「自然に飾られて」 季節に合わせて、「5月の別れ」から変ったのですね。
優しい曲です。素直な気持ちになって、自然に笑顔が浮ぶ。わたしは今シーズンで初めて聴く。最後の長いスキャット。ときにマイクを離れて唄われるのを辛うじてだが聴けて幸せ。
「新しいラプソディ」 再び12弦ギター登場。キラキラ キラキラ。
奈良へ来る前に、神奈川県民ホールへ行かれたドクターの診察日があった。 「どうでした?」と診察はそっちのけで。
3階のいちばん後ろの席だったとか。もっと近くで観ていただきかった。そういうわたしも2階最後列だったが。それでも、とても喜ばれて、「DVDもパンフレットも買いました」って。
「幸せなことが沢山あるように」と陽水が言うのを聞いて、奥様が涙ぐまれたと話しておられました。「誰もそんなことは言ってくれない」と。
そんなお話を聞いてハッとした。笑って聞いてるわたしって軽薄。
わたしも、気がかりをひとつ抱えての今回の関西行き。いつもは聞き流し気味のアンコール前のご挨拶を聞きながら、幸せな結果になりますように、と祈った。
今日の1曲
自然に飾られて
01. 東へ西へ with今堀(guitar)
02. 断絶
03. ゼンマイじかけのカブト虫
04. 白いカーネーション
05. 夏まつり
06. 人生が二度あれば
07. いつのまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
08. 手引きのようなもの
09. 飾りじゃないのよ涙は
10. 11:36 LOVE TRAIN with the band members
11. Makeup Shadow
12. とまどうペリカン
13. リバーサイドホテル
14. 自然に飾られて
15. 新しいラプソディー
16. クレイジーラブ
17. 感謝知らずの女
18. 長い猫
19. 氷の世界
20. 最後のニュース
[アンコール]
21. Happy Birthday
22. アジアの純真
23. 渚にまつわるエトセトラ
24. 夢の中へ
25. 少年時代
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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2007年06月11日
井上陽水コンサート2007名古屋
2007年6月10日(日)
名古屋国際会議場 16:00開演
01. 闇夜の国から
02. 断絶
03. ゼンマイじかけのカブト虫
04. カナリア
05. 人生が二度あれば
06. いっそセレナーデ
07. いつのまにか少女は
08. とまどうペリカン
09. 飾りじゃないのよ涙は
10. ミステリー あなたに夢中
11. Make-Up Shadow
12. 恋の予感
13. リバーサイドホテル
14. タイランド ファンタジア
15. 自然に飾られて
16. クレイジーラブ
17. 感謝知らずの女
18. Speedy Night
19. 氷の世界
20. 最後のニュース
[アンコール]
21. Happy Birthday
22. アジアの純真
23. 渚にまつわるエトセトラ
24. 夢の中へ
25. 少年時代
26. 傘がない
Cさん ありがとうございます。
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井上陽水コンサート2007名古屋
2007年6月09日(土)
名古屋国際会議場 18:00開演
01. 東へ西へ
02. かんかん照り
03. ゼンマイじかけのカブト虫
04. カナリア
05. 人生が二度あれば
06. 心もよう
07. 招待状のないショー
08. とまどうペリカン
09. 飾りじゃないのよ涙は
10. 夕立
11. Make-Up Shadow
12. 恋の予感
13. リバーサイドホテル
14. つめたい部屋の世界地図
15. 5月の別れ
16. クレイジーラブ
17. 感謝知らずの女
18. 長い猫
19. 氷の世界
20. 最後のニュース
[アンコール]
21. Happy Birthday
22. アジアの純真
23. 渚にまつわるエトセトラ
24. 夢の中へ
25. 傘がない
Cさん ありがとうございます。
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2007年06月03日
井上陽水コンサート2007琵琶湖
2007年5月30日(水) 雨のち晴
滋賀県立芸術劇場(びわ湖ホール) 19:00開演
あこがれのびわ湖ホールです。
まず、湖に面したロケーションがいい。大ホールのロビーのガラスの外は一面の琵琶湖で、座席に着くのを忘れそうな眺望だ。
モダンな外観に反して中はクラシックな馬蹄型で、オペラの上演も行われるという。
いつもはひとりで、食事はどうしようかと心配なのだが、近くの市に旧友がいて、早めの夕食にと近江牛などいただく。「やっぱビールだよね」「あ、でも赤くなるし」「ホール暗いしわからんよ」てなやりとりもあり、送ってもらっていい気分でホールへ。ところが・・・・
眺望ロビーから番号を辿って降りて行ってびっくり。舞台の椅子とマイクが目の前にあるような席。
暗くなって陽水とギターの今堀さんが登場すると、案の定緊張スイッチがはいってしまい、きょときょと視線が定まらない。集中力もない。もったいないことです。
舞台からは観客はじゃがいも同様というし、気にすることはないのに、こんなところに人間の小ささが出るのだろう。そのうちに、1列目に坐ったままで踊りだしそうなお嬢さんたちがいたり、すこし後ろに盛んに笑い声を上げる一団がいたりして、やや気持ちにゆとりはできたのだが。
無駄話はさておき。
「ゼンマイじかけのカブト虫」ライヴで聴くのは2回目ぐらいか。わたしには怖い曲に思える。人生では、見ないものは「ない」もので、そうやって過ごしてゆくひとも多い。それなのに、見えてしまうこの主人公が痛々しい。
「傘がない」噂の“弾き語り”である。昔を思い出す。コンサートの最後に演奏される「これでもか!」の迫力とはまた違って、しんみりと聴く。
「招待状のないショー」この曲に至って、やっと席に感謝。目の前で聴けるとはありがたい極みで。終盤、階段を駆け上がるようなピアノが気持ちを高みへと導く。
「恋の予感」作曲は玉置浩二。収録アルバムは『9.5カラット』。好んで聴く曲ではないが、さすがですね。若々しい唄いっぷりにどきどきしました。
「つめたい部屋の世界地図」ピアノのイントロに拍手が。わたしにはまだわからなくて、一声聴いて口をあんぐり。好きなこの曲を、しかもバンド仕立てで聴かせてもらえるとは!
偶然「ゼンマイじかけのカブト虫」にある“こわれた”のことばがこの曲の詞にも唐突に現れる。(発表年は「カブト虫」があと) しかし、こちらには海がある。未来がある。
青春の孤独と感傷を詠いながらもそれを超えて、広がりと深さを感じる一曲でした。
とうとう『LOVE COMPLEX』からは「長い猫」1曲となってしまった。が、その曲の前に、アルバムのタイトルとジャケットの紹介をしたのが、嬉しい。ちなみにロビーのCD売り場をチェックすると、『YOSUI TRIBUTE』や『GOLDEN BEST』は何段もあるのに、最新アルバムは1段だけ。『LOVE COMPLEX』普及係としては、不満のあるところです(笑い)
今日の3曲
ゼンマイじかけのカブト虫
招待状のないショー
つめたい部屋の世界地図
今日の1曲
つめたい部屋の世界地図
01. 東へ西へ with今堀(guitar)
02. かんかん照り
03. ゼンマイじかけのカブト虫
04. カナリア
05. 人生が二度あれば
06. 傘がない
07. 招待状のないショー with今堀(guitar)&小島(piano)
08. とまどうペリカン
09. 飾りじゃないのよ涙は
10. 娘がねじれるとき with the band members
11. Make-Up Shadow
12. 恋の予感
13. リバーサイドホテル
14. つめたい部屋の世界地図
15. 5月の別れ
16. クレイジーラブ
17. 感謝知らずの女
18. 長い猫
19. 氷の世界
20. 最後のニュース
[アンコール]
21. Happy Birthday
22. アジアの純真
23. 渚にまつわるエトセトラ
24. 夢の中へ
25. いっそセレナーデ
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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2007年05月29日
井上陽水コンサート2007大阪
2007年5月28日(月)
フェスティバルホール 19:00開演
01.東へ西へ
02.かんかん照り
03.ゼンマイじかけのかぶと虫
04.カナリア
05.人生が二度あれば
06.いっそセレナーデ
07.招待状のないショー
08.とまどうペリカン
09.傘がない
10.ミステリーあなたに夢中
11.Make-Up Shadow
12.恋の予感
13.リバーサイドホテル
14.タイランドファンタジア
15.5月の別れ
16.クレイジーラブ
17.新しいラプソディー
18.My House
19.氷の世界
20.最後のニュース
[アンコール]
21.Happy Birthday
22.アジアの純真
23.夢の中へ
24.少年時代
歌詞はこちらでお読みになれます
2007年05月28日
井上陽水コンサート紀伊田辺
2007年5月27日(日)
紀南文化会館 18:00開演
01.東へ西へ
02.かんかん照り
03.なぜか上海
04.傘がない
05.人生が二度あれば
06.いっそセレナーデ
07.いつのまにか少女は
08.海へ来なさい
09.飾りじゃないのよ涙は
10.11;36LOVE TRAIN
11.Make-up Shadow
12.ワインレッドの心
13.リバーサイドホテル
14.5月の別れ
15.新しいラプソディー
16.クレイジーラブ
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.最後のニュース
[アンコール]
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.少年時代
今日の一曲 「傘がない」 (by 今日の一曲選定委員会)
“弾き語り”の「傘がない」わたしも聴きたかったです。
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2007年05月21日
井上陽水コンサート2007 横浜
2007年5月20日(日) 晴
神奈川県民ホール 17:30開演
一昨日函館空港で、メンバーの方たちを何人か見かけた。帰京されて中一日で横浜。陽水もチームの方たちも大変だなと思うと、風邪なんかで、いわばホームでの試合をパスするわけにはいかない。
ここ数年は大きなパシフィコ横浜でのライヴが多かったから、県民ホールは久しぶりだ。みなとみらい線というのが出来て、電車でのアプローチがぐんと楽になった。
前が山下公園、裏が横浜中華街という立地。晴天の日曜日とあって人出が多く、浮き浮きした気分が漂っている。並んでいる列を見て、「何があるの?」「あ、井上陽水だって」「いいね」なんて話しながらカップルが通って行く。
「今日は全部古い曲を」
のっけからこう言われては、もう何も言えませんです。でも
「私にとっては一昨日作った曲も古いから」と笑いのフォロー。
二階席の隣は年輩のご夫婦で、“感謝知らずの女”に「懐かしいね」と。年季いりである。 あまり拍手もされない旦那様だったが、“氷の世界”に大きな拍手を送っていた。
“氷の世界”で、今日は知人が来ているはずだったことを思い出した。通院先のドクター(多分40代)で、ひょんなことから陽水の話になり、奥様に話されたら私も行きたいと言われたそうで。なんと、ZEPPで初体験。今日は、LPを聞いて以来初めてのナマ“氷の世界”だというお話だった。
アルバム“氷の世界”(1973年)から何曲演奏されたのか、気になって帰ってから調べてみたら、今日はタイトル曲だけだったんですね。
ちなみに井上陽水1stアルバム“断絶”(1972年)からは4曲、“センチメンタル”(1972年)から2曲で、たしかに古い(笑い)
メニューはいわばフルコース。初めてのひとも久しぶりのひとも聞きなれたひとも満足したと思う。
わたしは“クレイジーラブ”で涙が出てしまった。一昨年の誕生日にこの曲を贈った娘と、ここで陽水を聞いたっけ、などと思い出したせいだろうか。つい先日自分で、「ライヴに昔を思い出しに来るわけではない」などと書いたのに。つくづくわかっていない人間であります。
終わって外へ出ると、思ったよりも夜風が冷たい。陽水は♪中華街もいいぞ♪と唄ったけれど、まっすぐ家に帰って炒飯を食べたのでした。
今日の3曲
愛は君
招待状のないショー
クレイジーラブ
今日の1曲
氷の世界
01.東へ西へ 1972「センチメンタル」
02.断絶 1972「断絶」
03.かんかん照り 1972「センチメンタル」
04.愛は君 1972「断絶」
05.とまどうペリカン 1982「LION &PELICAN」
06.人生が二度あれば 1972「断絶」
07.いっそセレナーデ 1981「9.5カラット」
08.招待状のないショー 1976「招待状のないショー。」
09.海へ来なさい 1979「スニーカーダンサー」
10.飾りじゃないのよ涙は 1981「9.5カラット」
11.ミステリー あなたに夢中 2006「LOVE COMPLEX」
12.Make-up Shadow 1993「UNDER THE SUN」
13.ワインレッドの心 1981「9.5カラット」
14.リバーサイドホテル 1982「LION & PELICAN」
15.5月の別れ 1993「UNDER THE SUN」
16.新しいラプソディー 1976「新しいラプソディー」(single)
17.クレイジーラブ 1980「EVERY NIGHT」
18.感謝知らずの女 1972「断絶」
19.長い猫 2006「LOVE COMPLEX」
20.氷の世界 1973「氷の世界」
21.最後のニュース 1990「ハンサムボーイ」
[アンコール]
22. Happy Birthday 1974「二色の独楽」
23.アジアの純真 1997「ショッピング」
24.渚にまつわるエトセトラ
25.夢の中へ 1973「夢の中へ(single)
26.少年時代 1990「ハンサムボーイ」
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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2007年05月20日
井上陽水コンサート2007 函館
2007年5月17日(木)雨
函館市民会館 18:30開演
苫小牧から函館まで、殆ど海沿いに列車は行く。
同じホームで待っていた女性に声をかけられた。この頁を読んでくださっているというKさんだった。自分のために書いている幼稚な文だし、陽水ファンの方には不評と心得ているので、意外であり光栄である。でも、ネット上ではいわば仮面をかぶっているから、実際お会いするのは恥ずかしいものです。
函館に着くと予報どおり雨が降り出し、次第に激しく、風もあって寒い。出発前から風邪を引いていてとても観光の気分ではない。函館には古い建物が沢山あるので楽しみにしていたのだが、
♪計画は全部中止だ
というわけで早めにチェックインさせてくれたホテルで寝ている始末で。それでも30分ぐらいかかる市電に乗って会場へ行ったのは根性と言おうかけちと言おうか。
2曲終わって挨拶のあと、後ろのほうから女性がしきりと話しかける。陽水はゆったりと応対しているが、「え?よく聞こえな~い」などと言う声が、タモリなら「ただ話すのにどうしてそんないい声なの?」と言いそうである(笑い)
留萌線の話をして、中に詰めなかったので乗り切れなかった→マナーが悪い→自分が大勢の目の前で水を飲むのもマナーとしてどうかと。ははあ、そういうオチだったんですか。
男性が「沢山飲んで!」と声をかけている。函館のみなさんは優しいです。
前半の「とまどうペリカン」、ペリカンに感情移入して切ない。想いが心からこぼれそうだ。
「飾りじゃないのよ涙は」、この位置のこの曲ってやはりいい。
バンドの部の最初は「11:36 LOVE TRAIN」で、やはり勢いがあります。
昨日もそうだったが、会場内は決して暑くはなく、空調の風がつらいほどだったが、陽水は汗びっしょり、熱演である。
アンコールの1曲目は「Happy Birthday」。
唄い終わって“Happy Birthday!"と。
聞いて思わず微笑む。いいなあ、今日がお誕生日のひと。幸せな1年でありますように!
今日の3曲
5月の別れ
Happy Birthday
傘がない
今日の1曲
傘がない
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.断絶
03.闇夜の国から
04.限りない欲望
05.夏まつり
06.心もよう
07.いつもまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
08.とまどうペリカン
09.飾りじゃないのよ涙は
10.11:36 LOVE TRAIN with the band members
11.Make-up Shadow
12.ワインレッドの心
13.リバーサイドホテル
14.5月の別れ
15.新しいラプソディー
16.新しい恋
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.少年時代
[アンコール]
21.Happy Birthday
22.アジアの純真
23.渚にまつわるエトセトラ
24.夢の中へ
25.傘がない
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
歌詞はこちらでお読みになれます
2007年05月19日
井上陽水コンサート2007 苫小牧
2007年5月16日(水)曇り
苫小牧市民会館 18:30開演
苫小牧、とまこまい。
サイコロが転がるままに決まる行く先は、思いがけないほうが楽しい。「何があるの?」と言われるような町なら尚更である。
通過地点としては知っていた町だが、製紙工場が、大きな港が、スケート場が、そして長い海岸線があった。公共施設が充実している印象です。
苫小牧市民会館は、海岸から5分ぐらい、潮の匂いの風が吹いていた。「当日券はありません」との張り紙がある。満席である。
「夏まっしぐらのような東京から来ると、涼やかというか寒いが・・」との前振りで「かんかん照り」を唄ったあと、自己紹介を。
本名、生年月日(隣席の女性が“ひとまわり上だ”って)、干支、星座、血液型・・(笑い)
「人生が二度あれば」は、歌いきった、という感じ。
ギター2本での「少年時代」には客席から驚きの声があがる。
新千歳空港から苫小牧までの沿線は、潅木の緑が初々しくまぶしい。空が広い。
この大地で聴く「5月の別れ」はその広がり、その深さが今ここにふさわしく、聞き入った。
本編の最後は「最後のニュース」。ご存知『筑紫哲也NEWS23』の初代テーマ曲。筑紫さんの病気休演の知らせを聞いたばかりだが、あえて触れず、でも気持ちがこもって聞こえた。不穏な足音が大きくなる感のある昨今だが、生き延びる道を探る知性も人間は持っている。まず知って、そして諦めまい。そんなふうに説得された気がする一曲でした。
バンドが登場して1曲目の「ミステリー あなたに夢中」のイントロで手拍子を始めた聴衆は、アンコール「アジアの純真」で待ちかねたように立つ。ほんとに楽しんでいる。だが、最大の喜びは最後にあった。
「夢の中へ」の興奮が収まるのを待って、陽水がギターを弾こうとしたが、あ、というふうにやめてバックに曲を伝える様子。なんだろう?
「結詞」
ここでこの曲を聴けるとは!それだけでも嬉しいのに、まさに絶唱。
まわりの人々もホールも消えて、ひとり空の下で道に迷うわたし。たよりの歌声を必死で求める。その声に吸い寄せられて自分が自分でなくなってゆく。切ないような、幸せなような不思議な時間。あれは現実だったのだろうか?
いままで陽水に宗教的なものを感じたことはない。絶対的な存在って似合わないと思うから。でもいま、救いってこういうこと?と思う。誤解されそうな言い方だけど。
今日の3曲
ミステリー あなたに夢中
最後のニュース
結詞
今日の1曲
結詞
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.断絶
03.闇夜の国から
04.かんかん照り
05.限りない欲望
06.人生が二度あれば
07.いつもまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
08.海へ来なさい
09.少年時代
10.ミステリー あなたに夢中 with the band members
11.Make-up Shadow
12.ワインレッドの心
13.リバーサイドホテル
14.5月の別れ
15.新しいラプソディー
16.新しい恋
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.最後のニュース
[アンコール]
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.結詞
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
歌詞はこちらでお読みになれます
2007年05月14日
もっと『LOVE COMPLEX』
井上陽水コンサート2007ツアーで、昨年出たアルバム『LOVE COMPLEX』からの選曲は相変わらず少ない。
演奏された曲を2006年も含めて数えてみると
11;36 LOVE TRAIN
ミステリー あなたに夢中
新しい恋
長い猫
歌に誘われて
それに比べて演奏されていない曲は
サイケデリック・ラブレター
ナビゲーション
架空の星座
蜘蛛の巣パラダイス
愛されるのが WOMAN
あなたにお金
こちらのほうが多いのである。
それに、演奏されている曲も、その全てを同じライヴで聴けるわけではない。せいぜい3曲か。5/10の千葉では2曲だった。
井上陽水奥田民生のツアーではどうか。
『ダブル ドライブ』13曲のうち、演奏された曲のほうが多い。もちろん、出ているアルバムが2枚だから必然とも言えるが、新アルバムのお披露目に熱心な印象ではある。
井上陽水単独のツアーはなぜそうではないのだろうか?なぜ『LOVE COMPLEX』ツアーではないのだろう?
2007年のツアーも、どこでも大盛況だ。確かに“昔の”曲は歓迎されている。でも求められているのはそれだけではないと思う。何をしに来ているのか。陽水を聴きに来ているのであって、自分の昔を思い出しに来ているわけではない。それに、昔聞かなかった聞き手も確実に増えている。そして、みんな陽水に親しみを感じている。新曲を受け入れる土壌はできているのだ。
よくMCで言っているように、客を喜ばせるために唄うというのが本当なら、いまの陽水の曲を唄って、わたしたちをうならせて欲しい。
アルバム『LOVE COMPLEX』には、力がある、魅力がある。わたしはどの曲も好きだが、 「架空の星座」や「あなたにお金」などは特に受け入れられやすいのではないだろうか。「愛されるのがWOMAN」もライヴに映えそうだ。
1会場で5曲は唄って欲しい。
ライヴで聴いたら、帰りにはロビーで『LOVE COMPLEX』が飛ぶように売れること請け合いです。
2007年05月13日
井上陽水コンサート2007 千葉
2007年5月10日(木)晴のち雨
千葉県文化会館 18:30開演
千葉城と隣り合い、高台にあるホールだ。いったん雨があがった夕方、木々の緑がすがすがしい。と思っているうちに、開演前から本格的に降り始めた。
入口辺りの階段に座ってしばし五月雨を見る。陽水民生のTシャツを重ね着している女性を発見。リピーターなんだね、しかも若い!
オープニング「東へ西へ」「断絶」と続けて2曲。気合充分な様子が伺える。挨拶のあと「かんかん照り」。そう、今年ももうそんな日があります。
北海道の留萌線で高校生が列車に乗り切れなかったというニュースの話が、次の曲につながるはずだったらしい。わたしにはそのあたりがよくわからなかったが、そんなことはどうでもいいと思わせた次の曲。
「とまどうペリカン」
いまだにLove Songをこんなに想いを込めて唄えるなんて!その想いは深く切なく、でもとても強く、空気をゆさぶるようだった。その声は、いまもわたしの心を充たしています。
ピアノが加わっての「招待状のないショー」は軽やかに優しく、この2曲に涙腺がかなり危なかった。
このあと長いMCで、デビュー前のいきさつなど。そしてなんと!アンドレ・カンドレ時代の「カンドレ・マンドレ」を聴くことができました。可愛い曲です。
今日はアンコールまでは立つ人はいなかったけれど、客席は熱心に聴いていて、陽水は何度も嬉しそうな笑顔で見ていました。
アンコールの形が決まってきている最近、1曲目の「クレイジーラブ」がとても嬉しくて、またじわり。そして会場の一体感に感動させられて「夢の中へ」でもうるるっとしたのでした。
アンコールが始まる前に
「いまもメンバーと話したのだが、10年ぐらい前に自分で悲しくなるようなライヴを千葉でやったことがある」と告白。
それは2002年の8月、ツアー最終日のことでしょうか?そうすると5年前ですが。そう言われるほどのライヴだったのか、あまり記憶はない。
そう言いつつ、その顔には、千葉でリベンジできたかな、という自信が見えたような気がします。
今日の3曲
とまどうペリカン 招待状のないショー クレイジーラブ
今日の1曲
とまどうペリカン
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.断絶
03.かんかん照り
04.とまどうペリカン
05.小春おばさん
06.人生が二度あれば
07.招待状のないショー with今堀(guitar)&小島(piano)
(カンドレ・マンドレ)
08.帰れない二人
09.手引きのようなもの
10.Make-up Shadow with the band members
11.ワインレッドの心
12.リバーサイドホテル
13.5月の別れ
14.新しいラプソディー
15.新しい恋
16.感謝知らずの女
17.長い猫
18.氷の世界
19.最後のニュース
[アンコール]
20.クレイジーラブ
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.少年時代
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
歌詞はこちらでお読みになれます
2007年05月02日
井上陽水コンサート2007 佐賀
2007年4月24日(木)18:30開演 雨
佐賀市文化会館
宮崎から九州新幹線で北上し、佐賀へ。鹿児島の海の向こう、半ば雲に覆われた桜島に挨拶して通る。
午後遅くから雨になって、ここでも会場に向かう車の渋滞にあう。そのせいか、始まっても遅れて来る人が多い。「青空、ひとりきり」の途中、何回も視界をさえぎられて集中できないのが残念。
どこの会場でも、曲の途中で平気で席に案内するのはいかがなものか。アンコールで手洗いに立ったことがあったが、戻ったらもう始まっていたので入口で待とうとすると、席へ行けと促された。
陽水は慣れたもので、MCのとき席についた1列目の人に、「お待ちしておりました」などと言っている。
「佐賀は3~4年前にも来て、よく覚えている。“市役所”のまわりのお堀が独特の雰囲気・・・」に聴衆から「県庁!」と突っ込みを受ける。好スタートだ(笑い)
3曲目終わってから、前列の男性から声があって「歌に誘われて」のリクエスト。
「あ、いいね。唄おうと思ったけど西鉄バスが通っているかどうかわからなくて」
快く応じて1曲。
そのあとの男性の言葉がよく聞こえなかったが、やり取りに一瞬ひやっとした。だが、『小説新潮』5月号のインタビューにも載っている、小学生の頃のエピソードなど話して一節唄った
♪いまは山中いまは浜~
に、すぐ手拍子が続いたりと、和やかな雰囲気で進行する。
バンドの部の1曲目は「御免」。聴くのは嬉しいが、新しいアルバムからの曲を減らしていいのかな?
「ワインレッドの心」の長いイントロは今日はベース(美久月)。心のひだを見る思い。
アンコール最後は「傘がない」。何かを吹っ切るようでした。
今日の1曲
「傘がない」
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.青空、ひとりきり
03.闇夜の国から
04.歌に誘われて
05.限りない欲望
06.人生が二度あれば
07.いつのまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
08.海へ来なさい
09.飾りじゃないのよ涙は
10.御免 with band members
11.Make-up Shadow
12.ワインレッドの心
13.リバーサイドホテル
14.5月の別れ
15.新しいラプソディー
16.新しい恋
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.少年時代
アンコール
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.傘がない
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
2007年04月30日
井上陽水コンサート2007 宮崎
2007年4月23日(水)18:30開演 晴
宮崎市民文化ホール
宮崎と知って、当たり!と思った。行ったことないし。
ちょこっと観光をと、空港を出て路線バスに乗る。いくつも停留所を経ているうちに曇っていた空が晴れて青空。急な坂道を曲がりながら登るといきなり海を望む峠に出る。おおっ!という感じ。「堀切峠」らしい。
降りようとしたご夫婦に運転手さんが言う。
「ここで降りられても何もないですよ。次の『道の駅』まで行かれたほうが」
なるほど、食堂や売店のある次のバス停まで行っても景色に遜色はなかった。
濃い紺碧の日向灘はどこまでも広く、分度器のような水平線を見渡す。崖の下、波打ち際にぎざぎざの平らな岩が連なっている。
この運転手さんに限らずどの方も驚くほど親切。おかげで帰りもバスを乗り継いで大淀川沿いの温泉街のホテルまでたどり着くことができた。
県庁や市役所も近いほぼ中心部、しかも川沿いに、いい温泉がある。なんていい街だろう。湯につかると、このまま食事してのんびりしようかなんて気になってしまいそうだ。何しに来たのやら(笑い)
ホールは中心地からやや離れて、郊外の住宅地を過ぎたあたりにあった。文化ホールに向かう車で大変な渋滞。タクシーの運転手さんが、宮崎の気候のこと地理のこと、いろいろ教えてくれる。昼間に見たぎざぎざの岩は「鬼の洗濯板」と称される名所だそうで、かなりの距離にわたっているのだとか。陽水はこれをご両親の写真で見たと話していた。「ネーミングが凄い」と。
オープニング「東へ西へ」が嬉しい。2曲目「青空、ひとりきり」の迫力に、今日の1曲はこれ!と早くも思ったのだが、まだまだ喜びは隠されていたのだった。
「Make-up Shadow」でパラパラと聴衆が立つ。傾斜した1階の後ろのほうの席から見ていると、いい感じの風景だ。
「ワインレッドの心」ではギター(今堀)の長いイントロが物憂い。「とまどうペリカン」「ジェラシー」が消えてこの曲と2曲あとの「5月の別れ」に変っている。
今日はMCが多くて、聴衆は楽しそうだ。
アンコール、「アジアの純真」で1階は(少なくともわたしより前は)みんな立って手拍子、そして次の曲、え?
「Happy Birthday」!
もうすぐ誕生日のわたし。まるで自分のために唄ってもらったような気持になる。次の佐賀では聞けなかったから、きっとどなたかのお誕生日だったのだろうか。でも、嬉しい。
幸せな勘違いをそのままに
今日の1曲は
「Happy Birthday」
01.東へ西へ with今堀(guitar)
02.青空、ひとりきり
03.闇夜の国から
04.限りない欲望
05.人生が二度あれば
06.いつのまにか少女は with今堀(guitar)&小島(piano)
07.いっそセレナーデ
08.飾りじゃないのよ涙は
09.11:36 LOVE TRAIN with band members
10..Make-up Shadow
11.ワインレッドの心
12.リバーサイドホテル
13.5月の別れ
14.新しいラプソディー
15.新しい恋
16.感謝知らずの女
17.長い猫
18.氷の世界
19.少年時代
アンコール
20.アジアの純真
21.Happy Birthday
22.夢の中へ
23.傘がない
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
2007年04月29日
井上陽水コンサート2007 相模原
2007年4月13日(水)18:30開演
相模大野グリーンホール
神奈川県相模原市、コンサートの1週間後にコンビニ前の“発砲事件”で、その名を全国の人が聞くことになる。現場はホールとは歩いて約30分の距離、隣りの駅に近い。
新宿から小田急線の急行で40分弱、相模大野駅からすぐのデパートに連結している、アクセスのいいホールだ。
たまたま見たホールのHPで「どこよりも早い先行!」の告知を見つけたのは1月の何日だったか。
気がついた人はあまりいないだろうとほくほく売り出し日にホールへ向かう。ところが、なんと長蛇の列!広報紙に載っていたらしいのだ。市内二つのホールと、電話でも受けているとか。買えるかしらね?と近くの女性が話している。
順番が近づくとかわるがわる窓口に偵察に行って、1階はもうすぐ終わり、とか、席を迷ってるご夫婦がいるからどんどんよそで取られちゃってる、とか報告がある。ホールで買うと席が選べるのだ。まあ結局選択の余地はなかったが。
並んだあげく1枚では損みたいな気がして2枚にしたが、近所に住む娘は忙しいと言う。仕方なく(?)ムコ殿を誘ってみると、二つ返事で行きますと言ってくれた。これで帰りの夜道も安心(笑い)
このホールでは2002年の7月にも聴いた。「ジャズアレンジでも、いかが?」コーナーのあったツアーで、奥様の石川セリさんがこの市の出身であることにふれ、「ダンスはうまく踊れない」を唄ったのだったが、今回はご当地話は一切なし。ちょっと寂しい。
1曲終わって「こんばんは~」に、観客からも「こんばんは~」と大きい挨拶が返って笑う陽水。首都圏は冷たいと何かのインタビューで言っていたので、この歓迎ぶりは意外だったのだろうか。一気にくつろいだ雰囲気になる。あんなに並んで取った人たちだもの、と思う。
構成は福井、富山と同じである。曲目は2,3曲入れ替わっていて、バンドの部の1曲目「ミステリー あなたに夢中」が新鮮な感じ。
アンコールでみんな立つのは、もうお約束のようになっている。でも2階の実質1列目というわたしの席にはメモが置いてあって「立たないで下さい」と。言われなくても恐くて立てないが、ちょっと不完全燃焼な気分。
終わってロック派のムコ殿に、「前半退屈じゃなかった?」と訊いてみる。彼は強く否定して
「ギターが上手いですね!形だけかと思っていたけど、主に弾いているのは陽水なんですね」
「ストロークが力強い」
と、いたく感心した様子。
「ああ見えて、かなり練習しているんですよ、絶対」ですって。
素人ながらギター弾きの彼が言うならそうなのでしょうね。再認識しました。
清志郎ファンのよき同行者のために
今日の1曲は
「帰れない二人」
01.断絶 with 今堀(guitar)
02.闇夜の国から
03.白いカーネーション
04.いっそセレナーデ
05.心もよう
06.帰れない二人
07.いつのまにか少女は with 今堀(guitar)&小島(piano)
08.海へ来なさい
09.飾りじゃないのよ涙は
10.ミステリー あなたに夢中 with band members
11.Make-up Shadow
12.とまどうペリカン
13.リバーサイドホテル
14.ジェラシー
15.新しいラプソディー
16.新しい恋
17.感謝知らずの女
18.長い猫
19.氷の世界
20.最後のニュース
アンコール
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.少年時代
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
2007年04月13日
井上陽水コンサート2007 富山
2007年4月11日(水)19:00開演
富山オーバードホール
2003年の5月末に富山に来たとき
「ここはどこなのか、さっき駅へ行って調べたけど、やはりよくわからない」
みたいなことを言って笑わせていた陽水でしたが、昨日の福井でのMCでは
「この辺りの位置関係がいまはわかっている」そうです。
わたしも福井、金沢、富山がようやくつながって、オーバードホール2回目です。
富山もなんと!桜が満開。松川べりの桜並木を歩く。福井の足羽川よりずっと狭いので、枝が川にかかり、情緒満点。下を遊覧船の小舟が行き交っている。
これで立山が見えれば言うことはなかったのだがそうは行かず、でも帰りの列車で真っ白な山なみ(谷川連峰あたり?)を見られたのでした。
駅に近い大きな複合施設の中のホール。1階2階がつながっていて、5階まであるらしい。高くてそして広い。超満員だ。
昨日と同じ「断絶」で始まる。
似たような品揃えでも、心のもっていかれようが違うのはなぜだろうか。今日は歌がぐいぐいと入り込んで来る。
ここも桜が「まさに盛り」なのを喜んで『さくら さくら』を。
また聴けて嬉しい。北陸2会場の何よりの土産となりました。
陽水がしきりと上の階をみて、手を振ったりする。照明が行っているのだろうか。
アンコールで振り仰ぐと、ほんのりと明るい高い高い5階まで、みんな手拍子。あるいは立っていて壮観。演者でもないのに、その風景に、心が高揚する。
昨日より早く終わったので、同じ建物の地下のお店に間に合って地物のお鮨にありつく。白エビおいしかったです。
帰ろうとするとレジの女性が
「どうでした?」
「おいしかったです」
「じゃなくて、陽水さん・・・」
「え!」(なぜバレたのだろうー笑)
「この間テレビで見ました。来生さんと歌ってるの。すてきでした」
(小椋桂さんの番組のことですね)
「生で聴いたらどんなにいいだろうと思って・・・・」
「もう来ないでしょうね」
また来ますとも!と強く言ってお店をあとにした。こんなに近くにこんなに強く願っても、お仕事でホールで聴けないファンがいる。
きっと、こういう方たちのために唄うんだね、陽水は。福井の初日、リストが変らないからとがっかりした自分が、恥ずかしい。
このときのやりとりを思い出すと、いまもちょっとうるうるするのです。
01.断絶
02.闇夜の国から
03.白いカーネーション
04.さくらさくら
05.カナリア
06.いっそセレナーデ
07.夏まつり
08.最後のニュース
09.海へ来なさい
10.飾りじゃないのよ涙は
11.11;36 LOVE TRAIN
12.Make-up Shadow
13.とまどうペリカン
14.リバーサイドホテル
15.ジェラシー
16.新しいラプソディー
17.嘘つきダイヤモンド
18.感謝知らずの女
19.長い猫
20.氷の世界
アンコール
21.アジアの純真
22.渚にまつわるエトセトラ
23.夢の中へ
24.少年時代
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
歌詞はこちらでお読みになれます
井上陽水コンサート2007 福井
2007年4月10日(火) 19:00
福井フェニックスプラザ
福井は4年ぶりです。
開発中だった駅前はすっかり整備されていた。山田太一のエッセイ集の文庫を100円均一のワゴンで掘り出した古本屋は、新しいアーケード街に健在で。いいですよね、駅前に小さい古本屋があるなんて。
2003年の寒い3月、金沢で風邪を引いてのぞんだ同じ会場でのライブ。
「京都から嫁に来てそれ以来初めてです」
という女性と隣り合った。
「氷の世界」のきらめきに「凄いね!」と言うと「昨日も見たのに?!」と叫び返したっけ。あのひとは今日も来ているのかしら。
市内のさくらどころを周る親切なバスが運行されていて、わたしには歩いて行けない足羽山も登ってくれる。
山の桜、城址の桜、足羽川沿いの桜、まさに満開で見事である。
毎日開花情報を見て気をもんでいたのだが、まずお花見は大成功。
終演後の夜桜も素晴らしく、人が少なくて贅沢な気分。
さて、コンサート。
2007年のツアー初日に期待しなかったというと嘘になる。開演前はドキドキ。
だから、“弾き語り”で初期の曲をギターの今堀さんと始まって、同じなんだ、去年と・・・って。それはわたしが去年のツアーを聴きすぎているからなんですが。
このような構成は一昨年からだから、福井の聴きてには目新しいはず。現に昔の曲に嬉しそうな拍手があんなに
と客観的人間のわたし
でも金沢には去年(かな?)来ているし、見た人も多いのでは?もうちょっと工夫が欲しいよね。アンコールも同じなんだもの
と正直なほうのわたし
新発売のDVD『THE PREMIUM NIGHT 井上陽水』を買ったひとが、ほとんど同じステージを生で観たら、きっと嬉しいよね
と想像力を発揮するわたし
そんな葛藤(大げさ!)を抱え、いまいち入り込めないまま終わってしまったのでした。
でも
「さくら さくら」素敵でした! ゆっくりゆっくり唄われる声に琴のようなギターの音色がからんで。
最後に、よく聞こえなかったけれど多分「いまが盛り」って言葉が加えられて、その余韻にうっとり。
01.断絶
02.闇夜の国から
03.なぜか上海
04.さくらさくら
05.愛は君
06.限りない欲望
07.夏まつり
08.いつのまにか少女は
09.海へ来なさい
10.飾りじゃないのよ涙は
11.11;36 LOVE TRAIN
12.Make-up Shadow
13.とまどうペリカン
14.リバーサイドホテル
15.ジェラシー
16.新しいラプソディー
17.新しい恋
18.感謝知らずの女
19.長い猫
20.氷の世界
21.少年時代
アンコール
22.アジアの純真
23.渚にまつわるエトセトラ
24.夢の中へ
25.傘がない
Piano & keyboards 小島良喜、Drums 山木秀夫、Bass 美久月千晴、Guitar 今剛、Guitar 今堀恒雄
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